内容説明
マリス博士は、ノーベル賞までもらった世界最高の頭脳の持ち主。彼が発見したPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、相対性理論やDNAの発見とならんで、20世紀最大の科学的業績の一つに数えられるもの。でも博士は一方で、無類の女好きでサーフィン狂、そしてLSDの常用者としても有名なんです。「史上最も身持ちの悪いノーベル賞受賞者」の異名をもつマリス博士はこの本で、デートの途中でPCRを思いついたこと、ノーベル賞受賞式直前にいたずらをして逮捕されそうになったこと、LSDによるトリップ体験、超常現象、恐怖の毒グモとの戦い、アブナイ実験に明け暮れた学生時代の思い出など、その型破りな人生をユーモアたっぷりに語ります。クリントン大統領から宇宙人まで登場するスーパー化学者の自伝、待望の刊行。
目次
デートの途中でひらめいた!
ノーベル賞をとる
実験室は私の遊び場
O・J・シンプソン裁判に巻きこまれる
等身大の科学を
テレパシーの使い方
私のLSD体験
私の超常体験
アボガドロ数なんていらない
初の論文が「ネイチャー」に載る〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
26
ノーベル化学賞を受賞した米国人科学者。サーフィンを愛し、女性を口説き続け、結婚と離婚を繰り返した。超常体験や宇宙人との遭遇体験を語り、占星術を科学で検証しようともする。LSDの効用の立証を試みたり、毒蜘蛛にはペニシリンが効くことを偶然に発見したりもした。Co2が地球温暖化の原因であることやHIVがエイズの原因であることを否定し、研究予算を掠め取る役人と学者の謀略と断罪する。ノーベル賞が破天荒な行動を高評価に読み替えた面もあると思うが、このような自由奔放な学者を抱えておけるのが米国の奥の深さなのだと思う。2019/01/08
貧家ピー
8
PCRを発見したことでノーベル賞を受賞した著者による自伝。LSD常習者、サーフィン好き、超常体験、いわゆるノーベル賞受賞者のイメージとは違う。エイズとエイズウイルスの関係の自論を読むと、今の新型コロナウイルス感染症についての発言で、大炎上させていただろうなあと妄想。2020/08/23
なおこっか
4
マリス氏はPCR技術の発明者でノーベル賞受賞者。だが滅法面白い、女好きで忖度しないサービス精神旺盛なおじさま。破天荒な印象を与える経歴の数々に反し、仮説に惑わされず実験検証を重視しろとの言は着実で、今心にとめるべき。PCR発見時の閃き、生物化学のみならず数学、天文学、占星術にまで広く関心をよせる様は、やはり天才というべきか。PCRの原理もプログラミングがわかれば当然というが…わからんw。女性に敬意を払っているのが伝わるので、現上皇后や、ヒラリー・クリントンへの言及も何だか笑って許せる。もてるだろうな。2020/12/18
ニョンブーチョッパー
4
◎2008/10/15
鐵太郎
2
ノーベル賞を取ったサーファー、という異名がある破天荒な生化学者の自伝。いろいろな面で面白い人物で、書かれていることは面白いのだけれど、あちこちその性生活とか相容れない過激さと共に、眉唾のお話もあり。どこまで信じていいのやら。(笑)2015/03/08