博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152082206
  • NDC分類 833
  • Cコード C0082

内容説明

「世界最大・最高の英語辞典」と呼ばれ、英文学者のみならず世界中の知識人に愛用されているOED(『オックスフォード英語大辞典』)。その編纂作業の中心人物、ジェームズ・マレー博士は、貧しい家庭に生まれながらも独学で数多くの言語を身につけ、ついにはイギリス言語学界の第一人者となった人物だった。そしてマレー博士には、彼自身、一度も会ったことのない謎の協力者がいた。その男の名はウィリアム・マイナー。元アメリカ陸軍軍医で、何らかの事情のためにクローソンという小さな村から離れられないらしい。1896年の晩秋、この村を訪れたマレー博士は、マイナーのあまりにも意外な正体を知るのだが…。収録語数41万4825語、完成までに70年もの歳月がついやされたOED第1版。その作成に生涯を捧げた二人の天才の知られざる苦闘と悲劇に光をあて、全米で大反響を呼んだ壮絶にして奇想天外な物語。

目次

1 深夜のランベス・マーシュ
2 牛にラテン語を教えた男
3 戦争という狂気
4 大地の娘たちを集める
5 大辞典の計画
6 第二独房棟の学者
7 単語リストに着手する
8 さまざまな言葉をめぐって
9 知性の出会い
10 このうえなく残酷な切り傷
11 そして不朽の名作だけが残った

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

95
面白かった! 今日は映画館に持ち込みで上映前に何とか読み切る(観る前に読む派) 映画も良かった(読んでないとわからないところも)。 19c、事実は小説より奇なり、の辞書OED編纂秘話。  2020/11/29

kei

30
Oxford English Dictionary制作にまつわるノンフィクション。編纂作業の中心人物のジェームズ・マレー博士と謎の人物ウィリアム・マイナー、特にマイナーについて語られている。編纂に70年というおよそ現代人が生まれてから死ぬまでの時間をかけて作られた辞典は、作業工程がすさまじいものだった。物語、というよりは教科書的な記録文書。それでも面白かった。2021/04/30

Ayumi Katayama

22
1880年代初め英国。辞典作成のための大規模な用例収集が始まった。指揮するのはマレー博士。収集にあたって一般から篤志家を募る。膨大な書籍から、あらゆる言葉、あらゆるニュアンス、意味や綴りや発音のあらゆる微妙な相異、語源のあらゆる変化を明らかにし、あらゆる英語文献から可能なかぎりの用例を引くことを目指したのだ。その一般の篤志家に加わった一人が精神病院に収監中のマイナー。以降20年間、自分の本とそこに書いてあることとその中の言葉に没頭し頭脳を酷使すること以外、彼はほとんど何もしなくなる。2021/03/03

慧の本箱

14
世界最高の辞書OED誕生の秘話!それはまるでミステリーのようだった。2021/10/15

めん

9
「その辞典の第一版全12巻の完成には、70年以上の歳月が費やされた」世界最高の辞書の誕生は、人々の多大な力があったから。その中でも最重要であったマレーとマイナーの日々が泰然と語られる。その語り口のためか、数奇さに感情は揺れなかった。それでも「正しい用法を教えるための手引きではない〜すべての言葉の記録であるべき」という巨大な役務に喝采。/戦争という狂気の章扉に「Lunatic :もとは、ある種の精神異常、つまり月の満ち欠けにともなって周期的に起こると考えられていた精神異常を病んでいるという意味」と掲載。図書2021/08/10

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