出版社内容情報
崇拝者によって神へと祀り上げられた宇宙海賊・匋冥は? 6年ぶりのシリーズ最新長篇
内容説明
わたしはラジェンドラ。広域宇宙警察・海賊課に所属する宇宙フリゲート艦だ。同僚の一級刑事ラテルとアプロのおかげで、わたしの対人知性体の性能は日増しに向上している。しかし、今回の事件でわたしは負けそうになった。あの海賊・〓(とう)冥が、神の座を叩きつぶす暴挙に出たからだ。あれはいったいなんだったのか、まったく理解不能だった。しかし、わたしの対人意識でもって再構成してみれば、理解できる可能性はある―。
著者等紹介
神林長平[カンバヤシチョウヘイ]
1953年新潟県生まれ。1979年、第5回ハヤカワ・SFコンテスト佳作入選作「狐と踊れ」で作家デビュー。『敵は海賊・海賊版』、『グッドラック戦闘妖精・雪風』などの長短篇で、星雲賞を数多く受賞。1995年、『言壷』で第16回日本SF大賞を受賞した(以上、早川書房刊)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
34
シリーズを読み返したいなぁ、でも初期の作品はどこに埋もれているのやら。とは言え、シリーズ未読の方でも充分ストーリーは楽しめます。ヨウメイは相変わらず理解を超えた孤高のカッコ良さ出し、アプロも理解を超えた食欲と存在感。ラテル可哀想、あっさりとフラレてしまうしね。とにかくキャラクターの個性が強いので、敵対する存在をすぐ忘れてしまうのも、毎度の傾向かなぁ。2014/08/17
かとめくん
17
シリーズ最新作。ラジェンドラ視点にする事と、海賊側にも部外者を入れることでいつになくわかりやすく仕上げようとしたのかな??まあ、おなじみの登場人物、おなじみの舞台で繰り広げられる活劇は相変わらず楽しめました。欲を言えば、3人組のハチャメチャ振りに(特にアプロに)物足りなさがあったかな。3人で状況分析をしていく中で全然違う現実が見えてくるような、あの論理的な(あるいは本能的な)やり取りが少なく、読者としても足元から崩れていくようなな不安感を味わいたかったですね。2013/02/21
むつぞー
16
野良コンピュータって…(笑)確かにラジェンドラなら立派に生きていけるでしょう。今回はラジェンドラによるレポートという形のためか、冷静というか暴れっぷりが足りない気がしなくもありません。でも今回は匋冥を神と祀る宗教の話しなので、コンピュータであるラジェンドラが宗教という精神で成り立つものを語るという図式はとても面白いと思ってます。 ともかく久しぶりの新作!楽しませて頂きました。次はいつかな??2013/03/21
ネムコ
15
久々の「敵は海賊」シリーズ。次々と展開を仕掛けて読者を飽きさせない手腕はさすが神林さん。ポワナは確かに世間知らずなんだけど、あの匋冥の威圧感が素通りしてるみたいなのが興味深かった。匋冥の力って暴力の世界に生きている奴らに一番よく効くのかもね。しかし、相変わらず匋冥カッコいいなー! 結構よくしゃべるし、腰は軽いし、考えすぎてとんちんかんなこともしている気がするのに、しかもハンサムだって記述もないのに、何であんなにカッコいいんだろう。もっと彼やアプロの活躍シーンが見たかった!2013/02/08
つきかげ🌙
13
海賊課の戦艦であるラジェンドラの物語形式であるレポートという形をとったテキスト。 最初は訳がわからなかったが計算し尽くされたレポートだったと思う。 ラテルは最終的に、振られてしまったのね。2023/09/24