感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
287
訳者あとがきでも、また一般にもラリー・ニーヴンはハードSFということになっているが、私のイメージではむしろスペースオペラに近いように思われる。物語の舞台となるリングワールドこそは壮大なスケールを持ってはいるが、そこでの営為は今や卑小化されてしまっているし、異星人たちとともに異世界へ赴くというのは、まるで説話の「異郷訪問譚」に他ならない。例えてみるならば「桃太郎」の世界なのである。こんな風に言うと身も蓋もないようだし、ファンの方々の顰蹙を買いそうなのだが。1970年代初頭のハードSFと割り引くべきだろうか。2017/07/10
ケイ
138
B級グルメ的面白さ。どんどんいってしまうが、おかわり(続編)はもういいかなという感じ。間にしばしば挟まれる「カホな!」とか、運がいいからの人選などは、独特の呆気にとられる面白さ。地球人と異星人(躁鬱病だったり、戦闘的だったり)がともに宇宙船に乗ってリングワールドに向かうところもコミカル。宇宙が舞台の時に感じられる閉塞感や緊迫感が薄く、安心して読める。ただ、高齢まで生きれるようになった時代に、200歳の老人が20歳の無邪気な女と付き合うとは、男のファンタジーそのものだろうと興醒めだった。 2017/08/10
まふ
111
紀元2850年、ある恒星を取り囲む超巨大宇宙構造物「リングワールド」への探検隊が組織され隊長ルイスと女性ティーラの他、首が二つあるパペティア人および猫に似たクジン人の4名で旅立つ…。リングワールドは地球人以外の手でつくられたものであり、幅100万マイル、直径がほぼ地球の公転軌道のリング状天体だが、その住民はそのテクノロジーを失って久しく、リングワールドの存在自体が神のなせる業と考えている。とにかくとてつもない巨大なスケールの話であり、私はひたすらオドオド、ウロウロするばかりであった。G1000 。2023/12/26
miroku
21
とんでもない奇想に興奮!2020/03/29
Small World
17
リングワールドに旅立つまでが、けっこう面白くて引き込まれてしまいました。どうやら、ノウン・スペースものだそうで、前に読んでおいた方がいいやつもあるそうなんですが、あまり気にならずに楽しく読めました。ミステリーな部分もあって、答を待っていたのですが、そういうことなのかと、最後の部分はちょっと期待はずれかなw (Wクラウン作品)2020/10/07