「昭和」という国家

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「昭和」という国家

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784140803615
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C1021

出版社内容情報

なぜ「日本国の胎内にべつの国家~統帥権国家~ができた」のか。なぜ「昭和は、滅亡に向かってころがっていった」のか。「昭和への道」「戦後日本という下司国家」のことなどが、いささかの諦念と鬱懐を抱きながら語られる。江戸・明治期の「もぎたての果実のように新鮮な人間たち」に思いを馳せながら。本書は、この国の行く末を案じて旅立った巨匠のもう一つの遺言である。

目次

第1章 何が魔法をかけたのか
第2章 “脱亜論”私の読みかた
第3章 帝国主義とソロバン勘定
第4章 近代国家と“圧搾空気”
第5章 明治政府のつらさ
第6章 ひとり歩きすることば
第7章 技術崇拝社会を曲げたもの
第8章 秀才信仰と骨董兵器
第9章 買い続けた西欧近代
第10章 青写真に落ちた影
第11章 江戸日本の多様さ
第12章 自己解剖の勇気
付論(日本語について;兵器のリアリズム)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

57
司馬氏の「なんと愚かな…」の昭和。清らかだった明治からなぜこのような国と成り果てたのか!をテーマを掲げて著者の思いを描いている。そしてそれらの過程の結果が昭和という国家を生み出した。著者の中にある思いや小説の根底にある昭和観を分かり易く読んだ!そんな読了感。著者の小説を読む前に、もしくは読んだ後でもこの本を読むと、著者の昭和観が補完されるやもしれない。2018/01/02

James Hayashi

30
NHKの番組で1人語りをされたモノを書き起こし。ノモンハンの日本軍の死傷率は75%。太平洋戦争の日本陸軍の死者の70%は飢餓など。そもそも日露戦争の陸軍の戦いも決定的な勝利とは言えないなか、その後再び満州の占領など相当力をつけなければ成り立たないはず。売るものがなければ金もない中ノモンハンの失敗。それから何も学ばず、その後も参謀として国家を貶め、戦後も国家議員にまで上り詰めた輩。パールハーバーの奇襲から最後は特攻隊と無謀な戦いに終始し多くの人命を犠牲。昭和という魔物を著者が書かなかった理由が覗いて見えた。2016/11/30

りょう君

18
図書館本。司馬氏は昭和に入ってから終戦までの20年間を「魔法の森」に例え、統帥権を「魔法の杖」に例えた。魔法使いが杖をポンと叩いた・・少しメルヘンチックかな。司馬氏はノモンハン事件を書こうとして膨大な資料収集をしたが、結局書かなかった。司馬氏は昭和を背景とする小説を書かなかったが、自身の戦争体験が影響していると感じる。昭和18年から満州の戦車隊に学徒出陣で所属していたが、陸軍に反感を持っていた様だ。ソ連軍の極悪非道ぶりを書いて欲しかった。日露戦争までのロシアは詳しく書かれているのになぁ2016/09/05

鉄人28号

7
☆☆ 再読。含蓄のあるあることがいろいろ書いてある。例えば、「どうも日本は秘密主義の国でした。特に昭和前期の日本というものは、本当に秘密主義でした。…なぜそういう国になったか。弱みを隠し続けたからであります。政府がもっと大胆で放胆で勇気があればよいですね。隠すということは卑怯であり、む臆病なのです。国民に手の内をさらせばよい。…常にそういう正直な政府であれば、日本の近代化は、あるいは違ったものになったかもしれません。」2018/02/14

ニッキー

7
読み終えるに、数ヶ月を要しました。彼は、この本の中で若い人に課題を与えています。昭和の歴史を語れと。 だから、次は「明治」という国家を読もうと考えています。 江戸時代という国家との本があれば、それも読んで見たかった。 氏は、本作「昭和」の中で、江戸時代を褒め、明治を褒め、但し昭和は語りたくもないらしい。 ジャーナリストでもあった氏は、軍部が昭和前期に日本をくだらない国に落としめたとし、天皇が全ての決定権を持ちながら、しかしその責任は無いとしている。 彼は作家か歴史家か。分かっているのだが。2017/07/09

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