• ポイントキャンペーン

NHKブックス
小説入門のための高校入試国語

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019405
  • NDC分類 376.8
  • Cコード C1337

内容説明

子どもたちは今、小説をどう読めばいいのか。ここ数年の高校入試問題から、太宰治の「角力」、大岡昇平の「少年」、浅田次郎の「卒業写真」、重松清の「エイジ」、椎名誠の「三分間のサヨウナラ」などの必読小説を扱った過去問20を厳選し、国語の隠されたルールを暴き、アイデンティティを確立する小説の読み方を探る。気鋭の近代文学研究者による、意欲的挑戦の書。

目次

零章 リアリズム小説とはどういうものか
序章 学校空間と物語―成長
第1章 自立を促す仕掛け―父と子
第2章 いつか見た光景―母と子
第3章 死は僕たちに教える―老人と孫
第4章 宿命のライバル―兄弟
第5章 信頼と不信と―大人と子供
第6章 反=学校的物語―友情
第7章 心の中には闇がある―いじめ
第8章 気付かない心―恋
第9章 閉じられた心―自己
終章 人生のルール―皮肉

著者等紹介

石原千秋[イシハラチアキ]
1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。現在、成城大学文芸学部教授。専攻は日本近代文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松風

12
「物語文」を作ることで、切り取られた小説を(一文一文を超えて)「枠組み」ごと捉える手法には首肯できた。しかし、後半の章で筆者自身指摘しているように、出題側としては(或いは高校教育現場では?)〈学校的物語〉の狭い枠組みにはまりこんでいるのを、いかに打破するか?が焦点となっていると思う。そして、『羅生門』は(筆者が述べる理由ではなく)そのための教材なんじゃないか…と。因みに、こういう著書を沢山出していると「自分とこの大学の入試問題はどうなのさ?」とか逆襲されたりしないのだろうか?(仁義にもとるか)2014/04/05

いっち

3
小説は面白ければそれでいいという考え方が、変わる。何故そうなるのかと問い、書かれていない空白を埋めることで、より一層小説の面白みや深みを体感できる本。高校入試の国語は「学校的物語」に沿った(道徳的に好ましい)読み方を強いられるので、それに反する選択肢は解答にならないという。「父は自立した自分がこれから参加する社会の象徴であり、母は自立した自分がこれから去っていく家庭の象徴」乗り越えるべき存在と乗り越えてしまった存在。「自意識を持って小説を読んで欲しい」2016/11/19

Ecriture

3
評論版に比べて収録作品が多い。小説好きなんだろうなぁ。内容は、評論版と同じく学校的教育観の中での文章題の隠されたパターンを明らかにしながらの読解法。ところが、反-学校教育的な物語も近年では出題され始めていて、石原流・学校教育的物語の解法も磐石のものではなくなってきている、と自分でしっかり書いている。これが出版されてから10年経っているが、概ね10年前と状況は同じと言っていいとは思うが。重松清は読んだことがないので近々一つぐらいは読んでみたい。2012/03/08

わい

2
もっと早く読めばよかった。仕事半分趣味半分で読む。仕事の上で役立つ情報がてんこもりでありがたい。しかし、国語教育がイデオロギーにまみれていることは、この年になれば割り切って解説もできるが、わりとその世界観を鵜呑みにしてきてしまったガリ勉優等生には、なかなかこう…教育…とは…?みたいになるな。知り合いが国語まったくできない人なんだが、たぶん石原先生の言うところの、批評的に読んでしまうタイプの人。その人との会話を思い出しながら読んだ。2021/11/17

けん

2
問題と設問が2段組みであるため、解くには取り組みづらく、すべて「流し読み」で完読。選択問題では、「有坂方式」を実践してみたが、ほとんどの問題で使えなかった(大学入試問題よりも、選択肢に「イミアリゲさ」がなかった)。内容については、「中学生が使うには大人向けだし、逆に、大人が遊びで解いたりするには子供向けの設問」であり、中途半端な書籍になっている様に思えた。同氏の別の著書で、「大学受験の現代文問題」を扱ったものの方が、面白いので、この本は「ブックオフ行き」でいいかな!2017/12/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/490536
  • ご注意事項