出版社内容情報
幽明,境を異にするが交通はできるというのが中国の怪異譚である.離魂,再生,冥婚,泰山信仰など多彩だ.本書はこれを記録した六朝の志怪書から唐代の伝奇小説,さらに『聊斎志異』にわたり,“怪異なるもの”を通して中国人の生死観と,想像力の型を追う.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
6
読み応えがあります!→『中国人の<生死観>というものに焦点をしぼり、いわゆる<幽霊譚>を手がかりにしてそれを考察し、併せて、そのような観念が文学作品としてどのように語られ、そして読まれてきたかということを、個々の作品を例として挙げながら、中国文学史上の問題として論じてみたい。』2014/04/30
in medio tutissimus ibis.
2
幽霊や妖怪を対峙するのに冥界の官吏に通報して裁判してもらうだとか、冥界の官吏にも普通に賄賂が有効で縁故も大事だとか、書き記しているのが士大夫階級という事を加味しても実に中国。世捨て人の仙人が幽霊を裁く件など、別に笑い処ではないんだろうけど可笑しみを感じる。冒頭の引用で魯迅が「唯一神でなく百物を崇めて何が悪い、それを人間のためにすなるなら、そういう伝統で美なのだ(超意訳)」と獅子吼してましたが、その大前提にある「まず人間ありき」イズムは魯迅にも思いもよらないほど中国的だと思う。クトゥルフ神話とかも相性悪そう2018/04/15
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
0
【大学在学中の4年間で、卒業後に進みたい業界に関係ある本を1000冊読みなさい、と言われたので挑戦した記録】 #6281997/08/31