出版社内容情報
活字本誕生からまもないフランス・ルネサンス期,出版の都リヨンから生まれた,ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』.この開かれた書物を,「パラテクスト」という切り口から鮮やかに読み解き,ルネサンスの文学・芸術の新たな地平を切り拓く.
内容説明
知のコメディ『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の豊饒な世界をパラテクストを通して展望し、フランス・ルネサンスの文学と芸術の新しい地平を拓く。
目次
1 ルネサンスの知的コメディ(文学と現実;エピステモロジーとしての物語;作品構造なるものについて;多義性と笑う力)
2 ラブレー周遊記(テクストの敷居;怪力神話の変容;扉絵のルーツを求めて;星を占うこと;テクスト校訂をめぐって)
3 時代の表象としてのテクスト(新しい酒を古い皮袋に入れること―ラブレーと活字書体をめぐって;架空図書目録、あるいは知の倉庫について;パリ地図のなかの文学―「尿の川」の両義性)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norihiko Shr
1
宮下氏がガルガンチュアとパンタグリュエルの全訳に挑む前に著したエッセイ。大変に面白いです。特に架空図書目録がたのしい。2014/03/28
とば
0
ラブレーの周りをぐるぐると。当時の文字の綴り方が未完成だったた点や、あの人もラブレーを読んでるというトリビアなネタ、テクストへの向かい方についての心得など色々読みどころがあってためになった。何より、文章のノリが良く分量も手頃で読み易いのも良い。2010/11/27
ishii.mg
0
渡辺一夫直系のラブレー研究者のエッセー。200p足らずの小品だが奥行きが深くて覗くだけでも楽しめる。結局のところ「ガルガンチュアとパンタグリュエル」を繙かないと真には楽しめないのだろうが、本編まで行かなくても行き届いた開設2021/07/19