出版社内容情報
19世紀イギリスの救貧法は,貧民の扶助請求権を否定する過酷なシステムとみられてきたが,本書は当時の判例・議会報告・行政資料等を駆使して救貧法の未知の相貌を写し出し,そこに「right to relief」保障の萌芽を探りあて,イギリス社会政策史を構成する.
内容説明
「過酷な」救貧法と「寛大な」福祉国家という対立図式が、イギリスの学会で問い直されたのは1990年代後半だった。最低限の生活保障というイギリス福祉国家の核心が、救貧法に根源をもつことを明らかにした先駆的業績。
目次
序論 イギリス救貧法の再検討―今、なぜ、いかに
第1章 旧救貧法の動揺
第2章 一八三四年改革
第3章 新救貧法の確立
第4章 ウェッブ夫妻と一九〇九年報告
終章 救貧法から福祉国家へ―両大戦間の失業政策にそくして
著者等紹介
大沢真理[オオサワマリ]
1953年群馬県に生まれる。1976年東京大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科博士課程をへて1981年同社会科学研究所助手。1985年東京都立大学経済学部助教授をへて現在、東京大学社会科学研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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