出版社内容情報
国家統合が焦眉の急とされ,天皇制国家の支配イデオロギーが形成されていった明治期日本.思想家たちにとって「国家」とは,「社会」とはいかなるものであったか.福沢諭吉,中江兆民,陸羯南らの思索を通じて,揺れ動く時代の思想的営みを跡づける.
目次
第1章 天皇制国家像の一断面―若干の思想史的整理について
第2章 家族国家観の構造と特質
第3章 新しい学問の形式と知識人―阪谷素・中村敬宇・福沢諭吉を中心に
第4章 福沢諭吉の政治観―国家・政府・国民について
第5章 福沢諭吉における「公」と「私」―「瘠我慢の説」を手がかりに
第6章 中江兆民における伝統と近代―その思想構築と儒学の役割
第7章 政教社―人と思想
第8章 陸羯南における「国家」と「社会」