UP選書
異常と正常―精神医学の周辺

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784130050647
  • NDC分類 493.7

出版社内容情報

《内容》 ゲーテの病跡学的解釈などをふまえ、人間の性格がいかに異常と正常の間をさまよっているか、文明社会の問題点をつく。2000年に復刊。

内容説明

精神科医療が一見急速に、かつ激烈に他の医療の分野に比べて矛盾を露呈して世論の注目を浴びるようになったのにはさまざまな原因があるが、その原因の一つは、精神科医療の対象である精神障害が、その特徴として社会的性質を強くおびているということであろう。歴史において精神障害はこの特徴の故に、社会から疎外される運命をもったし、人間の自由を謳う現代社会もまたその例外ではない。非人間的な現代の「精神病棟」はその象徴であろう。現代社会の仕組みの中で精神障害者の病気からの解放を実現する道はまことに険しい。それは精神障害者を解放するための科学である精神医学がまだ発展の途上にある若い学問であることの他に、精神障害者のための処遇がわが国では著しく遅れており、その前進をはばむ壁が厚く固いためである。本書に書かれたことはこのようなわが国の精神科医療の現状を理解する上でいまでもその役割をはたすことができるだろう。

目次

1 妄想と狂信
2 環境と精神病
3 天才と狂気
4 精神医学の進歩と課題
5 社会と精神医学