内容説明
太平洋戦争で「特攻死」を目前に生き残った若者たちは、何を思い、戦後をどう生きてきたか。戦争を文学作品として記録した二人の作家が、戦艦大和からの生還、震洋特攻隊隊長という極限の実体験とそれぞれの思いを語り合う。同世代の橋川文三、吉本隆明、鶴見俊輔の関連エッセイを追加した新編増補版。
目次
1(特攻体験と戦後;近くて遠い人;特攻隊体験;島尾さんとの出会い;旧版解説)
2(戦中派とその「時間」;島尾敏雄―戦争世代のおおきな砦;吉田満―戦中派が戦後を生きた道)
著者等紹介
島尾敏雄[シマオトシオ]
1917(大正6)年、横浜に生まれる。40(昭和15)年九州帝国大学法文学部経済科に入学、のち文科に再入学。43年私家版『幼年記』を刊行。同年9月末繰り上げ卒業、10月海軍予備学生を志願、特攻隊隊長として加計呂麻基地で敗戦を迎える。61年「死の棘」で芸術選奨、77年『日の移ろい』で谷崎潤一郎賞、78年『死の棘』で読売文学賞・新潮日本文学大賞、85年『魚雷艇学生』で野間文芸賞を受賞。ほか著書多数。1986(昭和61)年没
吉田満[ヨシダミツル]
1923(大正12)年、東京に生まれる。43(昭和18)年12月東京帝国大学法学部在学中、学徒出陣で海軍に入る。44年2月少尉任官し「大和」乗組、45年4月副電測士として沖縄特攻作戦に参加、駆逐艦に救助されて生還。同年10月『戦艦大和ノ最期』の初稿を書くが占領軍により発禁処分を受ける。12月、日本銀行入行。1979(昭和54)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。