内容説明
政治や外交の思惑がからみ、近年ますます複雑化する靖国問題の本質とは何か。歴代首相の発言と参拝、土台となる歴史解釈の違い、宮内庁長官のメモに残されたA級戦犯合祀に対する昭和天皇の思いなど、現在の状況を昭和史の枠組みで実証的に検証する。巻末に半藤一利氏との対談「昭和史を再考する」収録。
目次
「靖国」という悩み(「靖国問題」の本質とは何か;「靖国」が発するメッセージ;昭和天皇の「靖国」への思い;遊就館の展示物が示す歴史観;「戦後」が完全に欠落した場所;古賀誠日本遺族会会長の「靖国」への思い;千鳥ヶ淵は国立追悼施設になり得るか;「靖国」と「千鳥ヶ淵」を結ぶ地下水脈;八月十五日の「靖国」鎮霊社の謎;慰霊・哀悼の美名の下での政治運動;謀略史と歪んだ歴史認識で説く「この国」;遊就館の歴史認識が、外部と共鳴し運動化する時;あの戦争はアジア諸国の解放のためだったのか;“富田メモ”から読み解く昭和天皇の「靖国」への怒り;問題は何一つ解決せず、また八月十五日は来る)
真靖国論―小泉史観の大いなる過ち
靖国神社とA級戦犯
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年12月、札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。評論家、ノンフイクション作家。出版社勤務を経て著述活動に入る。主に近代史(特に昭和史)の事件、事象、人物に題材を求め、延べ四千人の人々に開き書きを行い、ノンフィクション、評論、評伝などの作品のほか、社会的観点からの医学、医療に関する作品を発表している。現在、個人誌『昭和史講座』を主宰。2004年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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