出版社内容情報
フロイスが書き送った日本見聞記。信長・秀吉から庶民まで多様な人物・社会・風俗が映じられ、天下統一期の日本の姿が闊達な筆致で描き出されている。好個の資料であり読物である。
内容説明
宣教師ルイス・フロイスの著書『日本史』は、ヨーロッパの知性が捉えた十六世紀日本の姿を伝える貴重な史料として名高い。浩瀚な記録の中から、布教とは直接関わりのない人物、風俗、文化、芸術、政治等をテーマとする記述を抜き出して、簡潔な解説を加えた『日本史』のダイジェスト版。
目次
フロイス都へ
信長とフロイス
秀吉とフロイス
キリシタン大名とキリスト教の布教
フロイスが描いた、武将・文化人・女性
フロイスが見た、戦国日本の文化・風俗
フロイスの見なかった日本
著者等紹介
川崎桃太[カワサキモモタ]
1915年(大正4年)山口県俵山(現長門市)生まれ。ブラジル、サンレオポールド市クリストレイ大学神学科卒業。京都外国語大学名誉教授。『完訳フロイス日本史』全十二巻(共編訳)にて菊池寛賞および毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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mitsu44
13
フロイスの見た信長や秀吉の実際のところはすごく面白かった。読み進めるのにつれてキリスト教の話中心で飽きてしまった。フロイスの日本史が知りたかっただけなので。2016/08/31
脳のむくみ
5
全く期待外れの一冊だった フロイスの視点を通して外国人から見た戦国時代の日本を知る事が目的で読んだのだが、作者のキリスト教至上主義的主観が大いに入ったものばかりで、取り上げるエピソードも中学の教科書レベルの話ばかり 読んだ時間を返して欲しい2015/12/17
邑尾端子
4
フロイスの書いた原文の抄訳や解説の部分よりも、筆者個人の見解(主にキリスト教賛美と日本批判)の比率が高いことに若干の鬱陶しさは感じる。また、筆者は神学と語学が専門の方で日本史の専門ではないので仕方ないのかもしれないが、けっこう基礎的な歴史誤認もある。ただし、フロイスの視点そのものは面白い。現代の日本人とは全く違う価値観で生きる中世の日本人。それを見つめるフロイスもまた紛うことなき中世人である。2013/07/05
さけフレーク
3
最後のほうはタイトルと離れているような気がする。具体的には日本バッシング、フロイスの見た日本ではなくて著者の考察する日本2013/06/06
司書見習い
2
16世紀にポルトガルから日本に訪れた宣教師、ルイス・フロイスの『日本史』より重要な部分を抜粋し、筆者独自の解説を加えた本。 筆者の見解は、文化多様性を建前とする現代社会においていかがなものかと思う程キリスト教寄りで、鼻につくところが多い。特に「欧米人の持つ宗教心を日本人が共有できなかったこと」(p299)が、戦争の遠因となり、また、現代の日本社会の諸問題の根幹になっているという見解は、余りにも一方的で且つキリスト教国の現実を無視した空疎な考えと言わざるを得ない。2018/11/22