出版社内容情報
ある青年の前に、次々と現れた魅力的な女性。それは連綿と続く殺人事件の始まりだった…。
内容説明
ある春の日、離婚して自由になった正幸の前に、二人の魅力的な女性が現れた。彼女たちの出現で、どこかはしゃいでいる彼に、叔母は「女性がその気になったら、あんたなんか、イチコロなんだから」と語る。それは何かの暗示だったのか。直後、正幸は謎の死を遂げてしまう。それは連綿と続く、残酷で甘美な殺人事件の始まりだった。
著者等紹介
打海文三[ウチウミブンゾウ]
1948年東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫 鏡の国のスパイ』が第一三回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。03年には『ハルビン・カフェ』で第五回大薮春彦賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
165
文三さん作品も気が付けば8作目となり、固め読み状態です。今作はそんじょソコらのホラーも太刀打ちできないほどにお見事な‘恐怖’を描いてくれています。淡くセクシーなオトナの恋愛ストーリーかと思い、安心して読んでいたらまさかまさかのオチにガツンとやられてしまいました。しかも、どの話も単発の短編集かと思ってましたが、地味に話がリンクする展開に唖然としました。オトナの淡く切ない恋愛にアレだけ背筋が凍るオチをもってくるとは、改めて文三さんの筆力の恐ろしさを感じさせてもらいました。残り少ない作品を楽しみたいと思います。2016/12/24
ken-chang
10
女性の誘惑に溺れていく男が消えていく謎めいた短編集。豊潤で随分年上の女性が多いが皆魅力的で堕ちていくのもわかる気がするが、ストーリーがわかりずらく理解しにくかった。最終章で1つにつながるのだが、そこに辿り着くまでに迷子になっていた。ほのかに香り続けるものが残った感じ。☆32014/12/25
みぃすけ
6
官能的な女性に魅せられて破滅へと向かっていく男たちの短編集…と思いきや、最後の1話ですべてが繋がりました。全体的にわけがわからないんだけど、なんとなく先が気になる不思議な雰囲気の作品でした。2015/03/19
レフラー
3
『ハルビン・カフェ』には撃ち抜かれたが、これはあまり好みじゃない。片岡義男を捻ったような。技巧で様式美的なミステリの手法ってやっぱりあまり肌に合わないんだよなあ。や、ほんと好みの問題です。2012/04/03
斧
2
裸者~しか読んだことなかったから、正直びっくりした…。一編一編終わる度にめっちゃぞくっ!ってする。各話に共通するのは、豊満で潤沢なエロスを湛えた女性と、悲惨な結末を辿る男。最後の話は解決編と見せかけてまた……。先輩が打海さんを薦めてくださった理由がなんとなくわかった気がする。それを確かめたいから、もっと読みたい♪2015/04/21