内容説明
造詣深い伝統芸術、帰らぬ人々の想い出、自然破壊への警告等、「柚の木」以後40年にわたる自選の随筆集。日本民族が自然発生的に生活していた時代と、中国・朝鮮渡米の文化の影響下で発達した時代とを峻別し、大陸文化を日本人の心情に適う形に整え、伝統的なものに創りあげた民族の文化史の実相を明かす日本文化論。
目次
日本人の心情―私の日本文化論
五山文化と夢窓国師
糸綢之路、西域行遊記
里帰り
林若樹翁のこと―蔵書家の思い出
不朽なり蘇峰の蔵書
名工の死
谷辰雄君追偲
後藤年彦君を憶う
那須辰造君を悼む
大島徹水師の三十三回忌に
春山治郎左衛門氏を偲ぶ〔ほか〕