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中公新書
黄禍論と日本人―欧米は何を嘲笑し、恐れたのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 260p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121022103
  • NDC分類 316.8
  • Cコード C1221

目次

序章 諷刺画の発展と人種主義
第1章 諷刺画のなかの日清戦争―日本が世界へ登場
第2章 黄禍の誕生―三国干渉とドイツ皇帝
第3章 「黄禍の図」のパロディと国際関係
第4章 疑似人種戦争―義和団事変
第5章 異人種間の同盟成る―日英同盟
第6章 黄色人種と白人の戦い―日露戦争
第7章 移民紛争から戦争論へ―太平洋を挟んだライバル
第8章 甦る黄禍のイメージ―第一次世界大戦
第9章 人種平等への萌し―パリ講和会議以後

著者等紹介

飯倉章[イイクラアキラ]
1956年、茨城県古河市生まれ。79年、慶應義塾大学経済学部卒業。92年に国際大学大学院国際関係学研究科修士課程修了(国際関係学修士)。2010年、学術博士(聖学院大学)。国民金融公庫職員、国際大学日米関係研究所リサーチ・アシスタントを経て、城西国際大学国際人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

76
欧米で如何に事実と異なることが跋扈しその時代ごとに日本の評価がコロコロ変わってしまう中、当時の日本人はさぞかしご苦労をされたのだなと思う。風刺絵がふんだんに使われていて面白かったが、人種差別に最初に戦い、第二次大戦で外国の植民地支配を出来なくした日本の功績は非常に大きいと思うがこの本ではそういう次元の話はなかったのが残念。2013/04/05

skunk_c

72
タイトルはカイザー・ヴィルヘルム2世の有名な絵画のパロディを中核に据えているからで、黄禍論自体を正面から取り上げたというより、日本が日清戦争頃から欧米に意識される存在になっていく中での、主に日本に対する風刺画を取り上げながら読み解いていく書。なんで10年も積読にしていたのか自分でも不思議なくらい面白かった。最大の理由は、著者がきちんと歴史を押えていること。その上で丁寧に風刺画を解説しているので、これは歴史嫌いの人でも十分楽しめ、歴史の醍醐味に触れられる書と思う。惜しむらくは風刺画自体がもう少し大きければ。2024/04/24

HANA

70
黄色人種を嘲笑と恐怖の対象として描いた黄禍論。本書は日清戦争から第一次世界大戦の間に、日本人が欧米のメディアにどのように描かれていたのかを考察した一冊となっている。ここに描かれた図像を見ると、日本人は都合のいい時は自分たちと同じ列強とし、都合の悪い時は自分たちのグループに紛れ込んだ異物として描くという両義性が目立つなあ。個人的な興味で言うと有名なドイツ皇帝の「黄禍」の画像であるが、そこに込められたドイツを取り巻く国際環境とか、当時からパロディーの対象であったとか、詳細に分析されているのは有難かったです。2023/12/03

№9

33
黄禍論、この言葉を知っている人は案外少ないのではないか?20世紀初頭、突如として現れた極東の島国日本の、その計り知れないポテンシャルに欧米は日本を「脅威」と見た。しかしそれは時代を支配していた「白人至上主義」による一種の人種差別的な眼差しであったことは間違いない。特に中国進出に遅れを取っていたアメリカにそれが顕著であり、その後の「排日移民法」などに繋がっていくようだ。先の戦争を考えるとき、いくつかの要素が日本の進む道を確実に狭めていった。その一つ、黄禍論の台頭を「諷刺画」を通してユーモアも交えて俯瞰する。2014/07/27

かんがく

12
豊富な風刺画で、当時の欧米社会が日本人をどのように捉えていたのかがよくわかる。欧州の共通の敵を作りたかったヴィルヘルムの思惑もあるが、異人種・異教徒に対する差別感情と恐怖心があったことは確かだろう。2020/08/16

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