中公新書<br> 重光葵―上海事変から国連加盟まで

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中公新書
重光葵―上海事変から国連加盟まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 247p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121013187
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C1221

内容説明

アメリカ戦艦ミズーリ号上で日本の降伏文書に調印した首席全権として有名な重光葵は、戦前・戦後を通じて、和平の調整役として東西を奔走しつづけた人であった。たとえば上海事変時の駐華公使、張鼓峰事件時の駐ソ大使、第二次世界大戦初期の駐英大使、太平洋戦争後期と戦後の日ソ交渉時、また国連加盟時の外相として外交の最前線にいて、国内外の懸案の常に真摯に対処した。その足跡を、残された膨大な手記、回想録を基に辿る。

目次

第1章 隻脚公使
第2章 外務次官、対華問題
第3章 雪のモスクワ
第4章 霧のロンドン
第5章 戦時の外相として
第6章 ミズーリ号への道
第7章 巣鴨獄窓日記
第8章 改進党総裁、保守合同
第9章 日ソ交渉、国連加盟、終焉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こまったまこ

7
東京裁判から重光葵に興味を持った。上海事変から始まり、氏が駐華公使→駐ソ公使→駐英大使となり太平洋戦争勃発、その後外相になり終戦にはミズーリで降伏文書に調印、戦後A級戦犯として巣鴨で刑に服し釈放後政界に復帰し国連加盟の演説までの波乱万丈八面六臂の活躍を簡潔にまとめている。戦前の外交官時代は各国の要人と揺るぎない信頼関係を築き外交で国難を解決しようと努力するも無知な日本政府と軍部が片っ端から壊していく。爆弾で片足を失う災難に遭っても常に平和外交に尽力し続けた重光氏が戦犯にされ有罪にされたのが納得がいかない。2015/10/22

sasha

3
困難あるところに重光ありって感じかな。戦後の政治家としてより、やはり戦前・戦中の外交官としての方が存在感があるな。国際感覚とバランス感覚を失わず、常に和平を模索していた。重光が外相時代にスウェーデンを通しての和平交渉が継続されていたなら、終戦はもう少し早かったかも…なんて考えてしまった。ただ、重光を通しての太平洋戦争になっているので重光の生い立ちなどには触れられていない。「欠点がないのが欠点」と言われた重光の生い立ちを知りたくなった。2017/06/06

スズツキ

3
日本降伏時の文書調印で有名な重光葵論。当時はこの役割について屈辱的と考えられており、軍人にとっては死を意味すると言われ忌避されていたらしい(重光自身はこの役割を近衛文麿がふさわしいと考えていたというだけでその評が窺える)2014/06/27

本命@ふまにたす

2
近現代の日本で外務大臣などとして活躍した重光葵に関する一冊。単純な評伝というよりは、重光を通して、1930年から1955年頃までの日本の歴史を辿った本、という印象。2022/02/26

のん

1
『重光葵手記』をベースにしながら、重光葵の生涯をたどる。正直、この本は重光葵の評伝と呼ぶには違和感がある。手記の引用が多く、彼目線の戦中外交史と呼んだ方がいいかもしれない。 また、幼少期から学生時代に至る生い立ちについての記述がほぼない。最終章に少し記述があるくらいか。1929年の上海総領事時代から本書はスタートしており、その点はやや不満である。2024/03/08

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