1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(haro-n)
48
法を理解をする為、法が文化の一つであることの説明から始め、言語・経済・政治等との関係、社会化や社会統制との関わり、法の発展の経緯というように、徐々に「法」の輪郭を明らかにする。法について無知な私には、本書の情報量は多く一読では理解が浅いことも承知だが、法をより身近に感じられるようになり読んで良かった。「ローマ法」では、市民生活とのギャップを埋めるための衡平法が法の発展に繋がったこと、又、法社会学の話等に興味を持った。社会を考えるにあたり大事なテーマについて、自分でも論じられるようになりたいと改めて思った。2017/07/24
しゃん
28
法と社会という漠然としたテーマについて、生物学的な考察から紐解き、言語、宗教、道徳、政治、経済等に関する歴史的なバックボーンを踏まえた分析と提言が充実した内容で、かつコンパクトに収められていた。学生時代から読みたいと思っていた本書を漸く通読することができ、感慨も一入。1967年初版の本であるが、その論は全く色褪せることがなく、50年後の今でも通用すると思った。本書を読んで、ローマ法史、そして真逆ではあるが米国のリアリズム法学について興味を持つことができた。読者に学問への扉を開く本書は、新書の鏡だと思う。2017/10/29
ころこ
25
昔からある定番の新書のレビューの少なさに驚きました。前半が法学の立ち上げについて語っており、後半は法学部にはお馴染みの言葉が並ぶ議論になっています。そのつなぎ目で、「社会統制」という言葉を使っており、後記で「社会統合」に変更しています。1967年からの社会のイメージの変更がこの言葉の変更に表されています。社会が分裂した高度成長以後に対して、統合という言葉は正鵠を射ています。この変更があった1990年以降に、いわゆる社会学化が進みます。法学の有用性が相対的に低下したことも本書が読まれない一因なのでしょうか。2018/07/23
ヤギ郎
12
法哲学者による法学入門。法が日常生活のあらゆる場面で登場するようになった現代社会について哲学の議論を取り入れながら解説している。日本の法思想史を学ぶ上での重要なテキスト。2019/12/25
Nobu A
10
1967年初版。2006年52版本を読了。多くの人に読まれた法学入門書。筆者曰く、高校高学年及び教養課程大学生対象。法学は門外漢。まず、最初に文化の一部としての法の在り方を説き、そこで焦点が定まらず、そして、所々、抽象的過ぎたり専門的過ぎたりで頭に残らなかった。法学を少しかじって再読すると、もう少しストンと落ちるのかも。社会の秩序を維持する為に必要な法。社会統制があり、社会化出来る環境があるからこそ健全な国家が存在するという意味で歴史的背景や他国の状況を知るのは有益。残念ながら最後の方は息切れ。流し読み。2018/01/08