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中公叢書
「歌」の精神史

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120037603
  • NDC分類 911.02
  • Cコード C1095

出版社内容情報

叙情こそは万葉以来の生命のリズムであり、魂の躍動を促す力である。いま我々の心は渇いていないか。叙情の復権を説く力作論考。

内容説明

いま、叙情が危ない。われわれのこころの世界が乾き上がり、砂漠化しているのではないか。叙情を受け容れる器が損傷し、水漏れをおこしているからではないか。叙情とは、万葉以来の生命のリズムのことだ。魂の躍動をうながし、日常の言葉を詩の形に結晶させる泉のことだ。それが枯渇し危機に瀕しているのは、時代が平板な散文世界に埋没してしまっているからである。歌の調べが衰弱し、その固有のリズムを喪失しているからだ。いまこそ、「歌」の精神を取り戻すときではないか。

目次

空を飛ばなくなった歌―美空ひばりと尾崎豊
「短歌的抒情」の否定と救済―小野十三郎と折口信夫
『サラダ記念日』の衝撃―斎藤美奈子と富岡多惠子
浪花節と演歌―朝倉喬司と春野百合子
『平家物語』の無常観―小林秀雄、唐木順三、石母田正
吉川英治と『平家物語』
挽歌の伝統と「北の螢」―古賀政男と阿久悠
西行と啄木のざわめく魂
道元と白楽天
親鸞の「和讃」
親鸞和讃と今様歌謡
瞽女唄と盲僧琵琶―小林ハルと永田法順
西條八十と北原白秋―日本的叙情

著者等紹介

山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年生まれ。東北大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。国立歴史民俗博物館教授、京都造形芸術大学大学院長、国際日本文化研究センター所長などを歴任。専攻は宗教学・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miyuki

1
2月1日中に。「歌」の精神史ということで、近ごろに失われてしまった(らしい)歌謡曲の心を取り戻すため、演歌を中心に、短歌の抒情と演歌の感傷という一般的な図式を疑ってみて、歌謡や短歌を含めた「歌」を論じようとした矢先、現代短歌の抒情が近代短歌と比べて乾いてしまったという著者の感覚をまず洗いざらしてから、様々な古い中世の歌謡などを参照するという、方向性が不明瞭で複雑な本。やはり「うた」を論じるには主観が入りやすいのであろう。しかし、興味深い本である。俵万智についても語ってある。2016/02/01

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