内容説明
「山月記」「弟子」「李陵」など、中国古典への深い造詣と、とぎすまされた自意識を表現した作品を描き、いまなお読者の多い中島敦。三十三歳で夭折した作家が、どのような経緯で漢籍にふれ、それを創造の糧にしたのか。学者であった祖父、叔父、そして父母の系譜をたどりながら、作家誕生の過程を追う、漢学者による画期的評伝。
目次
1 中島撫山(中島家の由来;家を棄てた男 ほか)
2 中島家の人々(中島杉陰;中島綽軒 ほか)
3 中島敦の生涯(父中島田人;敦出生の不幸 ほか)
4 資料解読四種(中島田人撰文「撫山中島先生終焉之地」の碑;羅振玉「斗南存稿序」 ほか)