出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
己を捨てて学問すれば、おのずと己の生き方が生れる。「源氏物語」「古事記」……古典との徹底対話で日本人の生き方を究めた大学者、その頭の中の波瀾万丈! 他に、「備前徳利」「土牛素描」など。
内容説明
己れを捨てて学問をすればおのずと己れの生き方が出てくる。源氏物語、古事記、…生涯一貫、古典との対話で日本人の生き方を究めた大学者宣長、その頭の中の波乱万丈。
目次
備前徳利
「土牛素描」
里見さんの仕事
「宇野千代全集」
「円地文子全集」
本居宣長
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
36
宣長の墓→宣長の生い立ち→契沖からの影響→中江藤樹について→仁斎と徂徠→『源氏物語』の批評→師匠・賀茂真淵との関係…というように、色々とめぐって結構な分量が過ぎていきます。しかも、この著作は未完に終わります。読者に未完が意識されないのも、この著作に確たる筋がなく、結局のところ何を書いたものかよく分からないからでしょう。よく、「カフカ『城』のような作品」という形容がされますが、この著作こそ相応しく、周りだけをめぐっています。「城」に辿り着かないことが半ば意識された、精神分析的な批評の評価は難しいです。2019/04/23
tunehiro
5
私にとって小林秀雄は特別。「本居宣長」は彼流の優しさに溢れた作品。豊富な引用も全く無駄ではないし、古文でも不思議なほど理解できる。続けて下巻に進もう。2010/11/26