出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
表現とは、いかに生きるかの自覚だ――。昭和25年48歳、無心に耳を澄ます喜び、音楽体験が結晶した「表現について」。ほかに「雪舟」「詩について」「信仰について」、対談「『形』をみる眼」等24篇。
内容説明
表現とは、いかに生きるべきかの実験だ―。昭和25年48歳、無心に耳を澄ます悦び、音楽体験を通して語る、「表現について」。併せて「雪舟」、「金閣焼亡」ほか…。
目次
雪舟
詩について
信仰について
表現について
感想
「キティ颱風」を読む
第二回横光利一賞銓衡後記
対談/「形」を見る眼(青山二郎・小林秀雄)
或る夜の感想
辰野隆訳「フィガロの結婚」を読む〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MatsumotoShuji
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040409
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再読。「詩について」が興味深い。浪漫主義の「自己告白」から自然主義に至る過程に於いて、主観の拡大を客観的な言葉によって「正確に」定着させてゆく運動(「リアリズム」)は「表現」から「描写」への移行としてある。それは、言葉という本来は不透明な対象を透明な対象として抑圧/隠蔽することである。象徴詩派は、そのような浪漫-自然主義に抗う「個性的な内的な現実」、言葉の屈折の中にしか表象=代行できない「詩魂」としか呼べないようなものである、と。2023/08/21