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新潮選書
カネが邪魔でしょうがない―明治大正・成金列伝

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035531
  • NDC分類 281
  • Cコード C0323

内容説明

戊辰戦争から第一次大戦の好景気まで、軍需品を売り巨万の富を築いた戦争成金や、株の投機に成功した相場師、生糸やタバコでぼろ儲けした事業家は、豪邸を構え、愛人を囲い、芸妓を総揚げにして権勢を誇示した。常識破りの享楽と浪費の末に、急転直下、破産して哀れな末路をたどった富豪や成金たちの赤裸々な生き様を、豊富な資料と図版で描く人物列伝。

目次

1 明治紀文―鹿島清兵衛の大波乱人生
2 成金一代―兜町を駆け抜けた鈴木久五郎
3 白刃をくぐった成金―大倉喜八郎の剛胆な生涯
4 国益の親玉―岩谷松平の成功と誤算
5 雨宮敬次郎―七転び八起きの成金街道
6 女と船で一旗あげる―奇行で鳴らした成金銘々伝

著者等紹介

紀田順一郎[キダジュンイチロウ]
評論家、作家。1935(昭和10)年横浜市生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。学生時代から推理小説批評を手がけ、卒業後は同人誌活動を経て、1964年『現代人の読書』を出版、以後書誌・近代史を中心に評論活動に入る。怪奇幻想小説の創作・翻訳もある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

24
表紙がコミックぽいけれど、内容は立派に文明論だった。筆者紀田氏は多方面な執筆者、表現法も屈折あり、揶揄あり、面白くさらっと読み易い。確かに明治が作り出した富豪成り金は奇人も多く悪銭身につかず、塵芥と消えて行った事例が多い。とは云うものの、筆者曰く、今日に通じるような成り金心証は「陋巷のどぶにたまった澱」・・じくじく生み出しながら奔出する機会を窺っているのかもしれない。それにしても男、当時の遅れた社会通念(妻妾同居等)を利用した商売の手管には人間性以前の問題。妾文化・・いまもあるのかも。2014/12/14

たくのみ

5
写真に生きた鹿島清兵衛、冒険活劇人生の大倉喜八郎、株の絶頂と地獄をみた相場師の鈴久、タバコ専売制に泣いた岩谷松平…原資蓄積期の明治だからできた、巨大な富の溜め込み。美術品と女と豪邸に費やした「成金」の異様な生活だけでなく、彼らが子弟教育にかけた「カネ」は意外と実を結んでいることに驚く。毀誉褒貶、とくに嫉妬に近い感情が彼らの実像を見えにくくしてきたことも注意したい。2013/06/20

walwal

3
明治、大正期に登場した成金たちの物語。当然彼らは放蕩の限りを尽くすんだけど、眉をひそめるよりも感心してしまうのはなぜだろう。/後書きで紀田先生がおっしゃっているようにこういった心性は誰の心にもあるのだろう。2014/05/06

misui

3
鴎外「百物語」のモデルとなった人物・鹿島清兵衛が紹介されているとのことで手に取った。時代への先見性と進取性を持ち、財力を誇示して華々しく散っていった「成金」の姿が、合理一辺倒の現代にあっては眩しく映る。ノスタルジーまじりに怪人たちの業績をたどる面白い一冊。2012/04/14

3
こんな人生で一番言ってみたいセリフがタイトルになってる本、他に見たことがないw成金さんたちの遊びっぷりがすごい。芸妓を全裸にして投げたお金を拾わせるのが当時の成金の遊びのスタンダードだったっぽいw愛人フタケタも当たり前。ケタが違いすぎるw没落した人もいるけど、最後まで幸せだった人って、どんな強運の持ち主なんだろう。2011/12/07

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