新潮選書<br> 天才の栄光と挫折―数学者列伝

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天才の栄光と挫折―数学者列伝

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035111
  • NDC分類 410.28
  • Cコード C0323

内容説明

ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ワイル、ワイルズ。いずれおとらず、天才という呼称をほしいままにした九人の数学者たち。が、選ばれし者ゆえの栄光が輝かしくあればあるほど、凡人の何倍もの深さの孤独や失意に、彼らは苦悶していたのではなかったか。同業ならではの深い理解で綴る錚々たる列伝。

目次

神の声を求めた人―アイザック・ニュートン
主君のため、己のため―関孝和
パリの混沌に燃ゆ―エヴァリスト・ガロワ
アイルランドの情熱―ウィリアム・ハミルトン
永遠の真理、一瞬の人生―ソーニャ・コワレフスカヤ
南インドの“摩術師”―シュリニヴァーサ・ラマヌジャン
国家を救った数学者―アラン・チューリング
真善美に肉迫した異才―ヘルマン・ワイル
超難問、三世紀半の撃闘―アンドリュー・ワイルズ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

34
天才の栄光と挫折―数学者列伝。藤原正彦先生の著書。天才であっても劣等感を感じて挫折して苦悩することがある。だからこそ天才と呼ばれて評価されるのかも。自意識過剰で自信過剰で井の中の蛙大海を知らずでは努力を怠ってしまうから、それでは天才であり続けるのは難しいのかな。2018/11/04

たー

16
紹介されてる数学者たちの人生自体も当然興味深いですが、ヨーロッパではゆかりの地の多くが原型を留めて残っている所が素晴らしいなぁと思いました。2011/09/04

小町

11
私の愛読書の一つ。そう言えば関孝和のことが書かれてあったと思い出し再読。この作品の何がいいって、挫折していく天才数学者を8人も紹介し、最後にワイルズでハッピーエンドに終らす構成にもあると思うのだけど、今回読み直して結構作為的?と思いました。関の章に限りますが、主君家宣が綱吉の養子に入ったのは、次期将軍争いに勝ったってことなはず。お家断絶も死後だし。言うほど悲観的じゃないのでは。この本の良さは変わらないものの『天地明察』『大奥』『フェルマーの最終定理』読んだ後だと違った見方もできる。それもまた読書の楽しみ。2010/09/19

さち♪

9
誰にも解けない問題を解いて賞賛を手にする。そんな天才にあこがれるときもありますが、天才であることと幸福であることはイコールではないのだ、ということに改めて気が付かされます。たまたまですが、今「天地明察」を読んでいるので関孝和のテーマが特に面白かったです。「天地明察」の主人公である渋川春海の描き方がまったく違うのです。2011/02/09

powder snow

7
数学界に大きな功績のあった人物の中でも、特に劇的な一生を送った天才数学者たちを描くことで、忘れてはならない偉人たちを世に知らしめ、敬意を表しているように思う。新たな発見や独創的な予想のできる貴重な人物が、研究でさえ気力体力とも消耗するのに世界情勢や国の体制などに翻弄され苦悩し、失意のうちに死にゆく姿には胸が痛くなった。不思議と天才数学者には幾つかの共通点がある。著者が各人ゆかりの地を巡り、彼らの気持ちを推測する言葉からは哀愁が感じられ、私も彼らの人生に思いを馳せ、一緒に旅をしているような気持ちになった。2016/10/09

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