内容説明
現存する作品、わずか30数点―その1点1点を読み解き、人間フェルメールの真実の姿に迫る。
目次
フェルメールはどこがどう凄いのでしょうか?
デルフトに生まれ、死んだひとりの画家のことを教えてください
フェルメールはどんな時代に生まれたのですか?
“風俗画家”としての本領はどこにあったのですか?(物語画から風俗画へフェルメールの選択―1650年代半ば;デルフト風景を描いたそのわけは?―1650年代末;フェルメール、何かを掴む;美しき到達点;翳りゆく晩年)
真作か?非真作か?論議のわかれる4作品
“200年後に再発見”の真相は?
世紀の贋作事件はなぜ起きたのですか?
フェルメールの絵はどこまで「写実」なんでしょうか?―21世紀の視点
なぜ狙われる?―フェルメール盗難史
著者等紹介
小林頼子[コバヤシヨリコ]
1948年生まれ。1982‐85年(オランダ)ユトレヒト大学美術史研究所留学。87年慶応義塾大学大学院博士課程修了。現在、目白大学助教授
朽木ゆり子[クチキユリコ]
東京生まれ。ジャーナリスト。国際基督教大学教養学部社会科学科卒。同大学院行政学修士課程修了。コロンビア大学大学院政治学科博士課程に学ぶ。1987年から92年まで「日本版エスクァイア」誌副編集長。94年よりニューヨーク在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
337
フェルメールの全作31点+真贋の議論の分かれる4点のすべてを網羅。画集ではないので(「トンボの本」シリーズ)、絵のサイズは必ずしも十分ではないが、企画力ではなかなかのもの。例えば、絵そのものだけではなくフェルメールが生まれ、そこで生涯を送ったデルフトの町とその歴史が写真付きで紹介されていること。さらに興味深いのはフェルメールがカメラ・オブスキュラを使用していたのでは、という説に対しては実証的な実験で検証し、彼の構図の特質を語るなど。フェルメールの絵を愛する人にはお薦めの1冊。2017/06/13
財布にジャック
67
実は、フェルメールと言えば、青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)という作品しか思い浮かびませんでした。ミステリアスな画家さんで、どんな生涯でどんな作品があるのか前々から興味を持っていましたが、この本でその大筋を知ることが出来ました。そして、贋作事件も興味深かったですが、「フェルメール盗難史」も載っていて、こんなにも盗難に遭っていることを知りビックリしました。2011/03/03
佐島楓
55
謎多き画家・フェルメールの作品の数々がカラーで鑑賞できる。色彩と光のやわらかさに惹かれる。デルフトにいつか行ってみたい。2016/03/26
シャトル
43
【図書館】没後200年間長らく世間から忘れ去られた存在だったが、あるとき劇的に再発見←この「フェルメール神話」は、忘れ去られた画家!や再発見!なんてフレーズを強調したほうがウケがいいからというだけの不当な扱いだそうです。世界に35点しかない彼の作品。だからこそ神話化されたり、贋作や非真作が多数存在したり、世紀の大盗難にあったりとエピソードは尽きない。全作品が製作年順にカラーで紹介されており、とても興味深い本でした。オランダへ行きたくなりました! 2014/01/23読了2014/01/23
たー
23
変な口語体?の文章が気になったが、内容自体はとても面白かった。2013/04/07