• ポイントキャンペーン

新潮選書
盗まれたフェルメール

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784106005855
  • NDC分類 706.7
  • Cコード C0371

内容説明

東パキスタン難民を支援したり、獄中のIRAテロリストを故郷に移動させるためにフェルメールの絵を盗む。自分の刑期の短縮交渉のために、手下にレンブラントの絵を盗ませる。武器・弾薬と交換するために名画を盗む…。絵画泥棒が絵を盗む動機は私たちの想像を遙かに超えている。犯罪者にとって絵はどんな価値を持っているのだろうか?そう考えることで、私たちの絵を見る眼も変わる。

目次

空の額縁
ガードナー夫人のフェルメール
史上最大の美術品泥棒―ガードナー美術館事件
現代の美術品窃盗を解剖する
美術品はなぜ盗まれるのか
義賊に盗まれた「恋文」
アート・テロリズムの幕開け―「ギターを弾く女」の盗難
女性アート・テロリスト「手紙を書く女と召使い」を盗む
窃盗犯に悪運をもたらしたフェルメール
暗礁に乗り上げたガードナー事件捜査〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobu A

15
朽木ゆり子著書初読。00年初版。美術は書を嗜むぐらいで殆ど俄者。フランク・ウィン著書「私はフェルメール・・・」翻訳版を読了後、知識欲が湧き、手に取った本著。学習欲をある程度満たし、更に溢れ出てきた模様。ヤバイな。絵画の魅力や美術品盗難の心理等、余すところなく綴られている。唯一無二の美術品に魅力を感じるのは人間の性なのだろうか。窃盗犯にとっての価値も含む犯罪心理もとても興味深い。本著から学ぶ一種の美術史で美術館に足を運びたくなった、特に邸宅美術館ね。皆、何をきっかけに美術に魅了されるのだろうか。素朴な疑問。2023/01/12

kochi

15
ボストンの財産家、イザベラ・スチュアート夫人の邸宅美術館から、アイルランド人の休日である聖パトリックの日に盗まれたフェルメールの『合奏』にまつわる物語を中心に、美術品の盗難について解説。美術品泥棒というと華麗な怪盗のイメージもあるが、著者が「アート・テロリスト」と名付けた政治的背景(IRAが絡んだりする)を持っていたりと、血生臭い話も満載。1995年の国際的展示会から著名度が上がり、レクター博士の小説にも登場(フェルメール巡礼)のフェルメールをタイトルに選び、ストーリーの核に持ってきた編集的勝利ですね。2021/09/07

舟華

10
タイトルはフェルメールとうたっているが、フェルメールだけの話ではなかった。もちろんフェルメールが中心ではあるけれど、美術品盗難について迫っている。想像以上に盗難事件は多いうえに、人命とは違って美術品には切迫した救出事情がないために後回しにされがち、というところにはうなずきながらもなんだか寂しい気分になった。文体が固いので時間がかかった。 ◆5月くらいにそれこそ美術品盗難の本を読んだので知識がつながって面白かった。2020/07/24

貧家ピー

7
フェルメールを中心に、絵画盗難の話。絵画を用いて政治的要求を突き付けたアート・テロリストが多々存在していたことにびっくり。 有名な作品であればあるほと転売が難しく、特定コレクターの依頼かと思っていた。 「恋文」が盗難に遭って、破損していたことを初めて知った。 2005/05/13

Aki

4
近年日本ではフェルメールブームだが、海外ではこんなに盗難のターゲットになってるとは。また美術品盗難のパターンや理由を整理して解説してあるが、さまざまな理由があるのだなと感心。もう少し挿絵が充実しているとさらに良かった。2014/04/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/441529
  • ご注意事項