内容説明
祁山悲秋の風更けて陣雲暗し五丈原…土井晩翠の絶唱「星落秋風五丈原」と、杜甫・李白・蘇軾らの名漢詩が織りあげる、壮大な『三国志』の世界。
目次
序章 二つの「三国志」
第1章 詩的現在、「五丈原の秋夜」
第2章 詩的回想、「草廬三顧」「天下三分の計」「出廬」
第3章 「赤壁の戦」「入蜀」「伐呉」「白帝城託狐」「南征」
第4章 「出師の表」「北伐」「泣いて馬謖を斬る」「対戦」「吐血」
第5章 詩的現在、「五丈原頭の夜営」
第6章 「五丈原頭の述懐」
第7章 「興亡の回想」「長逝」「史的評価」
終章 諸葛孔明像と“詠史の時空”
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
garyou
1
詩歌「三国志」というよりは詩歌「諸葛亮」だろうな。曹操を詠んだ詩だってそれなりにあると思うし、杜甫はみづからを曹植になぞらえた詩を作ってるし、「三国志」にまつわる詩はもっとヴァラエティに富んでるんじゃないかと思うけれどそれを云うのは野暮なんだろう。2017/07/08
紫暗
0
この本の主軸となっている土井晩翠の「星落秋風五丈原」を全く知らなかったのですが、これがなかなか素敵な作品でした。この作品を中心に据えて、少しずつ諸葛孔明の一生や、三国志の流れを追っていく感じの構成になっています。もちろん、三国志関係の漢詩などもあちらこちらに紹介されていて、専門的すぎず、詩の世界の優雅さも感じられてゆったり楽しめる一冊でした。2012/09/10
garyou
0
土井晩翠の「星落秋風五丈原」を詳細に解説しつつ、晩翠が参考にしただらう漢詩や、史書、演義の記述を紹介する本。あらためて、曹操つて詩人だなあ、としみじみしてしまつた。2012/08/25