内容説明
江戸時代の中頃、嵐に会って漂流し、ロシアの船に乗って世界周航した石巻の漁民たち。その見聞録に、外国人が見た彼らの様子を合わせて描く、その周航の全貌。
目次
第1章 遭難から漂着まで
第2章 ロシアのアレウト列島進出
第3章 アレウト列島からシベリアへ
第4章 シベリアからペテルブルグへ
第5章 ロシアを後に
第6章 大西洋からホーン岬まわり太平洋へ
第7章 カムチャツカから長崎へ
第8章 長崎にて
第9章 それぞれの後日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カツ
6
これはこれで面白いんだろうけど、日本人の話を読みたかった身としてはなんとも。タイトルを「初めて世界一周した日本人を送り届けたロシア人」にした方がいい。登録数の少ない本は得意だが、この本も登録数が一桁だ。2019/12/04
印度 洋一郎
4
19世紀末(寛政年間)、米を運ぶ船が難破し、アリューシャン列島に漂着した日本の船乗り達がロシア人に救助され、日本との交易を望むロシア政府によって、全権使節レザノフ一行と共に地球一周する道程を経て帰国するまでの足取りを、日本人達の帰国後の証言「環海異聞」等、様々な資料を検証しがら紐解く。書名は「日本人」だが、内容はロシア側の方が豊富であり、事態の主導権も握っていたのでロシア人の動向が中心。ロシアを横断し、バルト海から大西洋、太平洋を巡りながら日本に辿りついた船員達自身の感想はほとんどわからないのは残念。2021/04/07