内容説明
天才はなぜ左右逆の文字を残したのか。大砲、城廓、自転車、ヘリコプターなど各種の設計図とその説明を新視点から検討する。
目次
第1章 夜明けの超人
第2章 レオナルドの方法
第3章 未来への架け橋
第4章 逆向きの伝言
レオナルド・ダ・ヴィンチ年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シルク
9
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)と言えば、モナリザに最後の晩餐に、そんでおびただしい数の手稿。図と、文字とをなんとも効果的に配置して、そこに描かれるのは人体の解剖図に自動肉あぶり機の構想、空飛ぶ翼の構想に...と。時代を先取りしたそれらのアイデア、不思議なことにほとんどが、通常とは逆向きの文字(鏡面文字)で綴られていたーー。今日では彼の鏡面文字は、おそらくLearning Disabilityのひとつ、ディスレクシア(難読症)をレオナルドが持っていた可能性を強く示すというのが、大体の見方。→2020/07/06
おかぴよ
0
確かにレオナルドの鏡文字=左利きだから という説は説得力がなかった…。神秘的な鏡文字の裏には確かな目的があった。素晴らしい研究の数々も先進的すぎてその時代では認められなかったものもある。レオナルドは芸術家であると同時に研究者であり、その多才さに驚かされました。天才の苦悩というか、運に恵まれない部分もあったのかも。2015/10/24
caramelscratch
0
近年の情報産業の一翼を担う仕事としての、コピー(文案)とイラストレーション(挿画)の関係にたいへんよく似ており、レオナルドはそれらを統合したエディトリアル=デザインの先駆者であったと見做すことができる。(p116)2012/06/25
マシロット
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レオナルドはなぜ鏡面文字を書いたのか。それだけでなく当時の状況等も沢山 書かれていて読みごたえがあった。本当に誰かが印刷してくれることを信じて鏡面にしたのだとしたら凄い。万能の天才は天才すぎて時間が足りなかったのかな。もしも時間やお金が有り余るほどあったのなら未完の作品は完成していただろうし自分で本を出すこともやっていたりして2021/11/15