内容説明
子どもたちの病理現象の原因を、母親の「母性喪失」に求める声はいまだに高い。しかし日本の母たちは、核家族の孤独のなかで、懸命の手探りの育児をつづけているのだ。子育てはなぜ、これほど困難なものとなってしまったのか。それは現代社会にふさわしい子育てのありかたが、未だうちたてられていない現実からくる。子どもとどう向きあっていったらよいのか…。核家族の孤独のなかで迷い続ける母親たちの現実の声をきき、新たな母親像を考える。
目次
第1章 子どもたちの現在
第2章 「母性愛」の現実
第3章 明治の母親たち
第4章 核家族の母たちはいま
第5章 「しつけ」としての母子関係
第6章 「しつけ」の現実
第7章 子どもをスポイルする「テレビ」と「教育」
第8章 裏目に出る「しつけ」
第9章 父親の不在
第10章 もうひとつの子育て