内容説明
日々風化する体験をどのように生かすか。現実が想像力を超え、多様化する現象の中で、想像力の質をどう鍛えるか。運命を選別し、眼識を高めるには…等、不可決の秘訣を満載。実践的手引の書。
目次
１ 物語られる行動
２ 『書かれざる一章』の問題
３ 『ＢＡＬＬＹ製の靴』
４ 人間の運命
５ 結婚詐欺師
６ 『地の群れ』の子守歌
７ 『妊婦たちの明日』の現実
８ 老人の欲望
９ 『明日』の現場
１０ モチーフについて
１１ 『Ｔ駅の出来事』
１２ 『あめあめ降れ降れかあさんが』
１３ 場面と情景
１４ ラーメン・パパの話
１５ トランプ占いの方法
１６ 生き方としての表現
１７ 『ナナメ』という鴉
１８ 会話の質
１９ 練習ノートＡ・Ｂ・Ｃ
２０ 墓場まで持って行く嘘
２１ 「神」を作る才能
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rouningyou
3
「トランプ占いの方法」という項が面白い。 「トランプの持っている意味を媒介にして、どうすべきか考え込んでいる人間の選択を援助する」「戦術を練り人智を尽くしても、AかBか、最善のの道はどれか、なお不明なことがある。それを星占い師は星に託し、トランプ占い者はトランプに託す」 炭鉱の朝鮮人坑夫たちの花札。「そうしてボーズとかアメとかが自分に残ると彼らは絶望的な表情をしました」劣悪な現場を連想する札が手になると絶望し、それを捨てられれば喜ぶ。だが現実は裏切られる。2019/01/09
地図
2
ABCノートの話を読んだ。2019/09/25
緑のたぬき
2
小説の書き方ノウハウ本というより、小説家の生い立ちにおいて、満たされない欲求を埋めるために小説を書くというスタンスが書かれていた。三菱炭鉱での労働者の酷い扱いとか、生まれの不遇とかそういうリアルでの体験、渇望が下地になって小説のストーリーが生み出されるとのこと。読んでいて微妙に疲れる本だった。2019/08/01
エソラ
2
小説の書き方では全然なかったけど、一昔前の教養人っぽい著者の披露する文学知識がおもしろい。紹介されてる本を読みたくなった。2011/07/03
まさ
1
BO72020/10/21
