内容説明
一九四二年、上海。そこには開戦直後の日本人には想像できない暮らしがあった。美しい街並み、溢れる活気、豪華なホテル…。上海での国策映画社勤務は、多感な青年にとって、まさに「楽園」であった。しかし一見、華やかに見えた映画製作の裏に意外な闘いが―。中国人を「洗脳」するための映画を強要する日本軍と闘いながら、「自由な映画製作」に情熱を燃やした男たちの記録。
目次
十二月八日の私
上海への誘い
橋を渡れば欧米
宮殿のような映画館
中国人の不幸を忘れるな
スカウトされた二等兵
中国映画を作らない中華電影
極秘の会談、川喜多長政と張善〓
幻の記録映画と白昼の銃弾
“タカ”に囲まれた“ハト”〔ほか〕