内容説明
高名な哲学者だった父。その影に隠れるように一生を終えた母。両親の遺品を調べると、2人が若き日に交わした537通もの恋文が残されていた。谷川俊太郎氏が父母へ、とりわけ母へ愛惜の念を込め世に送る愛の書簡集。
目次
谷川徹三・長田多喜子の手紙(大正十年八月~十二月)
谷川徹三・長田多喜子の手紙(大正十一年一月~十二月)
谷川徹三・長田多喜子の手紙(大正十二年一月~七月)
三十年後の手紙(多喜子から徹三へ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハル
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申し訳ないが飛ばし読みをした。三十年後の手紙では、女の強さを感じた。2017/04/14
必殺!パート仕事人
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古くから伝わる日記の類は人に読まれるのが前提だったそうだけれど、さすがに手紙は公開されるものじゃないでしょう。読んじゃっていいの?と、とまどうような内容だった。旧かな遣いも読みづらく「あとがきさえ読めばいいのでは?」と何度も思った末、父親の理屈っぽくて何を言ってるのかわからない手紙は飛ばせばいいと割り切ると、先に進めるようになった。まさに母の恋文。しきりと実家が貧乏で貴女と釣り合わないと出てくるが、大正時代、下宿して京大に通わせてもらいアルバイトもせずの時点で上流階級。実際家作はお持ちのようだったし。2024/01/19