新潮文庫
人はなぜエセ科学に騙されるのか〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 406p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102294031
  • NDC分類 404
  • Cコード C0140

内容説明

宇宙人による誘拐、交霊術、テレパシー、超能力…世にはびこる数々の似非科学を一つ一つ論破し、なぜ、「科学では割り切れない現象」などありえないかを明快に説く。科学する心、つまり「懐疑する精神と不思議さに驚嘆する感性」があれば、科学のふりをしたトンデモ話に惑わされないはずだ。“科学者の良心”セーガン博士の遺書的エッセイ。

目次

第1章 いちばん貴重なもの
第2章 科学と希望
第3章 月の男と火星の顔
第4章 宇宙人
第5章 欺瞞と秘密主義
第6章 幻覚
第7章 悪霊に憑かれた世界
第8章 真の光景と偽の光景の区別について
第9章 セラピー
第10章 ガレージの竜
第11章 悩みの都市
第12章 “トンデモ話”を見破る技術

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

トムトム

29
この本に書いてあることが本当だとすると、宇宙人が頻繁に地球人をさらっているのを信じるアメリカ人は、過半数なんだそうな!地球の歴史はせいぜい数万年と信じる人も過半数。なぜなら、そう聖書に書いてあるから。科学ではなく東スポレベルのゴシップや神話をを信じる国民性。この中で暮らす科学者はつらいでしょうに。科学者が人間嫌いになって引きこもってしまう気持ち、大いに分かります。現在の日本も科学の話がオカルト扱いされて、訳の分からない知ったかぶりが真実のように横行する事は多々あります。2020/04/07

猫丸

15
以前読んだが類書に埋もれて忘れていた。本書の特長は、迷妄に対するカール・セーガンの純粋にして白熱せる怒りだ。魔女裁判。人は僅かな利得のために罪なき女たちを拷問にかけ惨殺できる。数々の犯罪に手を染めてきたカトリック教会の愚行の中でも最たるものである。ある種の人間は権威と多数に対して容易に屈服する。人として最低の矜持でさえ投げ出すのに吝かでない者たち。自己の保身と他者の激甚たる不幸を秤にかけられる特異な麻生太郎的パーソナリティは現に実在する。それは暗愚から生じ、偶像への懐疑なき拝跪と隣り合わせのものだ。2019/12/05

むとうさん

5
UFOや悪魔などといった「エセ科学」はなぜ蔓延るのかを第一線で活躍する(した)科学者が綴った本。日本では「疑似科学」という言葉が多く使われる傾向にあると思うが、「エセ」と書くことでマイナスイメージは強く出る。科学の限界を意識しながら、その謎を科学以外で解けるとする方が傲慢だと説く。出てくる例がアメリカの国民性を感じさせる。例えば日本なら悪霊・幽霊ネタ。こういうところに国民性が出るとともに、いかに錯覚が、うっすらと見聞きしたものが記憶に混ざるかがわかる。それにしても青木薫さんの訳は本当に読みやすくていいね。2012/03/26

シャル

5
とにもかくにも、この本の主張は一貫している。それは、疑うこと。盲信するのではなく、頭から否定するのでもなく、考え、検証し、証拠を集め、疑う。それはとても辛く、厳しい現実を思い知る結果になるとしても、疑うことでしか騙される事には対抗できないのだ。そんなことを考えさせられる一冊。2009/11/11

しんかい32

4
日本語タイトルはキャッチーだが、本書の前半部の内容しか反映していない。たんなるトンデモ批判にとどまらない、もっと射程の広い本。新しく他社から出たヴァージョンでは原題に近いタイトルになったようで喜ばしい。とはいえこの上巻ではトンデモ科学批判が中心。医師免許を持たないセラピストがUFO誘拐などの偽記憶を(無自覚に)患者に植え付けてしまう事例など、けっこう深刻な話が多い。2010/11/06

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