新潮文庫<br> ぼくのプレミア・ライフ

新潮文庫
ぼくのプレミア・ライフ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 399p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102202128
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

「なぜなんだ、アーセナル!」と頭を抱えて四半世紀。熱病にとりつかれたサポーターの人生はかくも辛い。すべてのスケジュールは試合日程次第。頭のなかでは自分とチームとがこんがらがっている。人生設計なんて立てられたもんじゃない。そんなひどい生活だったけど、ぼくには見えてきたことがあった―。英国で百万部を突破し、WHスポーツ・ブック賞を獲得した鮮烈なデビュー作。アーセナルにとりつかれてミリオンセラー作家となった男の魂の記録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒダン

21
サッカーチームの熱狂的なファンであることを、試合の進行と自分の人生をシンクロさせる形で表現したエッセイ。本物のファンという言葉は自分は好きではないのだが、それでも格の違いを感じざるを得ない。人生が行き詰まるのもアーセナルが負けるからであり、アーセナルが勝つならば自分が栄光を勝ち取れなくてもいい。自分の全てを自分ではコントロールできないチームの勝利に委ねて、悶々と苦しみながら見守るというファン心理の宗教的崇高さ。自分は共感しつつも委ね切ることへの恐怖がどうしても拭えないのでこの潔くハードな愛を尊敬する。2017/04/02

K・M

9
サッカー狂のイギリス人作家が描く半自伝的エッセイ。幼い頃父親に連れられ観戦したことがきっかけでその後の人生をアーセナルFCに捧げてしまうという驚愕のサッカージャンキーの物語。日本でも著名なベンゲル監督が率いたチームはスタイリッシュで高い人気を誇っていたが、かつて60年代から80年代のアーセナルは古典的イングランドスタイルのチームだったらしい。チームの成績一つで人生のバロメーターが変化するという悲しくもどこか笑えるエピソードが満載。本国イギリスでベストセラーとなった全世界のサッカー中毒者に捧げる至極の一冊。2023/05/22

アオキ ダイスケ

6
これを読むと昨今のアーセナルの状況を見て苛立ったり不満をTwitterでブチまけたりするのなんて、まだまだ甘いのだなと思った。ニック・ホーンビィは、18年間もタイトルを取れなくても、無様な試合を散々見せられても、それでもスタジアムに通い応援し続けたのだ。自分も1989年の「人生で最高の瞬間」が来る事を信じて、アジアの片隅からテレビの前でアーセナルを応援し続けよう。そう思った。アーセナルファンには勿論読んで欲しいし、他のフットボールチームやスポーツチームのファンでも共感出来る部分は沢山あるはず。しかし、他作2012/11/11

宇佐見

5
贔屓のサッカーチームがあり、それが弱小軍団だったとき、その人の人生は悲嘆で彩られる。しかし、ゴールの瞬間の快感はオーガズムよりも強烈で、勝利は麻薬のような酩酊感をもたらす。だから、僕らはそのチームに忠誠を誓い続ける。アーセナルというチームの印象が現在とは大きく異なるが、フットボールの根幹は何一つ変わっていないということが見事に描かれている。「グラウンドから歩ける距離に住むことは、ぼくにとって、二十年におよぶ哀れむべき夢の成就だった。理論武装する必要なんてない。」分かるなぁ。★★★★☆2020/09/07

ゆうろ

5
今のアーセナルの状況と似たような状況でもスタジアムに通い続けた男の話。この作品を読んで10年近くタイトルから見放されているが諦めずアーセナルを応援し続けようと改めて思えた。2013/01/04

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