内容説明
架空のはずのキャラクターたちによって、銃撃され、破壊され、蹂躙される街。まるで子供がひっくり返した玩具箱のように、街が混沌に支配されていくなか、なすすべもなく逃げ惑う住民たち。やがて、一人の自閉症の少年が、この一見無意味な暴虐と殺戮の鍵を握っていることが判明する…。バックマン名義の遺作ということで話題を呼んだ地獄絵巻が、ついに壮絶なラストを迎える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
42
子供の邪悪な空想が炸裂してポプラストリートの住人達が脳ミソグチャ❗️ベチャ❗️バーン❗️キングやり過ぎでしょ❗️前回読んだ[ローズマダー]のシンシアまさかと思いつつも解説でわかりました、キングは作品を跨いで登場させるからその後のシチュエーションなのかと想像させられるのかワクワクしながら結末まで死んじゃダメだよとハラハラしましたホラーだけどスプラッタファンタジーみたいな出来でしたキングの思考にはたまげます、恐れ入ります❗️楽しましてくれたぜ🤩2021/11/29
志田健治
14
デスペレーションとレギュレイターズ、両方読み終わってどちらが好きか考えてみると、僅差でデスペレーションかもしれません。レギュレイターズはテンポ良く、不謹慎な楽しさと、サプライズの連続でぐいぐい読んでしまうのですが、登場人物の魅力は断然デスペレーション側の勝利でした。まあ、比べる必要もないのですけどね、でも、どうしても比べてしまいます。そして最後に感心したのが桐野夏生さんの解説です。読んでなるほどですよ。完全に腑に落ちました。亡きバックマン氏も浮かばれるでしょうね(笑)。映画化してほしいです!2016/10/24
色々甚平
11
殺戮は続くのだが、上巻ではそれとなく助け合っていた人間同士の争いが増えていく。ここまで派手にやってくれたらキング作品を読んでいて最後に感じるモヤモヤも勢いに押されて感じられなくなるので、またやってほしい。解説で本作がバックマンの遺作となるのだが、それはキングがもう一人の自分と統合を決意したというのは説得力があった。2017/03/11
Satoshi
7
今週末は一人の時間が多く、前から読みたかった本作を一気読みできた。デスペレーションの裏世界で発生する不条理な殺戮劇。真相はデスペレーションと同じタックであるが、本作は廃墟ではなく普通の街並みを舞台としているだけあって、絶望感が少なく、少し軽めである。物語のキーマンは少年であり、最後の展開を見ても、彼の子供に対する愛情の深さを読み取ることができる。ちなみに、本作がリチャード・パックマン名義の最後の作品らしい。2016/11/06
**くま**
6
スティーヴン・キングの別名義作品。最初から最後までとても面白くて大満足。実は表バージョンのデスペレーションより裏バージョンのこちらのほうが私は好きだった。デスペレーションよりこちらのほうが100%娯楽作って感じで気楽に楽しめます。ラストもそうくるのか!となかなかビックリさせられました。マリンヴィルやオードリィ、セスなどキャラも面白くて好感が持てる人が多かったです。キャラの数が多くてバリエーションに富んでいるので、誰が読んでも共感できるキャラが見つかるのでは? キングはそういうのすごく上手いなと思います。2014/05/26