新潮文庫
決定版 第二の性〈2〉体験(下)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 498p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102124123
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0136

内容説明

身体構造の違い、思春期に押しつけられる受動的な価値観、男への依存を強要する結婚制度など、女の周囲は、生まれた時から「第二の性」への罠に満ちている。豊かな個人生活こそ、女性がよき親・よき配偶者となる必須条件である。女は「女らしさ」の神話から解放されなくてはいけない―刊行されるや世界中で爆発的な支持を得、その後の女性解放運動の理論的拠り所となった本。

目次

第2部 女が生きる状況(母親;社交生活;売春婦と高級娼婦;熟年期から老年期へ;女の状況と性格)
第3部 自分を正当化する女たち(ナルシシストの女;恋する女;神秘的信仰に生きる女)
第4部 解放に向かって(自立した女)

著者等紹介

ボーヴォワール[De Beauvoir,Simone]
フランスの作家、思想家。パリの上流家庭に生れ、ソルボンヌ大学で哲学を学ぶ。女子高等中学校で教鞭をとった後、1943年、小説『招かれた女』の成功で作家生活に入る。’49年、実存主義の観点に立つ画期的な女性論『第二の性』を著し、世界的反響を呼ぶ。終生のパートナー、サルトルとともに、反戦・人権擁護の運動で精力的な言論活動を展開した。’70年以降、フランスの女性解放運動に積極的に参画、大きく貢献した。主な著作に、『他人の血』『レ・マンダラン』『老い』、自伝4部作(『娘時代』~『決算のとき』)等がある
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感想・レビュー

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CCC

7
いかにして「女性」という枠組みが社会によって作られてきたか。そしてその枠組みが現実の女性の思考、感性、行動にどのような影響を与えてきたかを考察している。著者は社会に作られた女性神話を解体していくが、女性についての神話的言説はあまりにも多く、結果半分くらい歴史の本になっていた。話の根深さが感じられる。神話を作っていった男性社会に舌鋒鋭く切り込んでいるが、それと同時に神話を内在化した女性にも厳しい内容だったと思う。やむを得ない面があるとしながらも、敗北主義者扱いしているところも多々ある。2023/04/16

魔魔男爵

6
相変わらずホモへの扱いが酷いw。ギャンブラーとヤク中と同列な悪徳を拡大再生産するバイ菌扱いww。ホモは主体同士が上になろうと鬩ぎ会う醜い争いの行為だそうですwww。レズは同時に鏡のように愛撫出来る対等な素晴しい観照だそうです。観照は実存哲学用語かと思ったが、普通の辞書に載ってる用語に成ってるみたいですな。一巻と同じように書物の引用を駆使して、女が一生を通じてどのように女らしく洗脳されていくかを分析したものだが、引用文が長過ぎて辟易する箇所が多い。森博嗣は引用する奴は馬鹿だと言っていたが、ボーヴォワールの知2017/09/05

カモメ

5
身体構造の違い、思春期に押し付けられる受動的な価値観、男への依存を強要する結婚制度など、生まれた時から「第二の性」への罠に満ちている。女は絶対的に優位であると感じることを自分の子ども、特に娘に対してしか経験できない。女に向けられる軽蔑と母親を飾り立てる尊敬とが両立するというのはおかしな欺瞞であり人間を育てるという最も難しくかつ重大な企てを女に任せるのは矛盾だと批判する。女性誌は家事をこなしながら性的魅力を保つ法、妊娠中も美しく洗練されている秘訣などが紹介されているが、これらをこなすことは難しい。2023/05/07

鴨長石

2
男は主体であり女は他者であるという思想が全編を通じて根本にある。その大元の原因を辿ると性器の形状・使用方法にあるということで、再三にわたり男と女の差が語られる。これからもその身体的差異は変わらないのだから、現状の立場の差が(執筆当時に比べればだいぶ改善されている部分はあるが)自然に解消するのは難しく、やはり双方が歩み寄ってそれぞれが生き生きと人生を送れるように努力しなければならないのだろう。ところで、本書ではジェンダーとセックスが区別されていないように思うが、体と心の性の問題も含めて考えていく必要がある。2020/12/09

ユーリ

2
ボーヴォワールが全体を通じて伝えたかったことは、自分の人生を人任せにしないことと、自己満足を目的と間違えないこと。そうすると自滅に向かうから。あくまで社会の中で自分の能力、判断、行動によって生きることができて、初めて人は幸せを感じることができる。しかしそれには常に実存の不安と緊張がつきまとう、といったことだと思った。実存主義を実生活の中で活かすとなると、そういうことになるのでしょう。今はこれは女性だけじゃなくて、男性にも言えることになってきている気がする。2011/10/28

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