新潮文庫<br> 鞄に本だけつめこんで

新潮文庫
鞄に本だけつめこんで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101159119
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

本を読むのはやっぱり楽しい。梶井基次郎を読むたびに思い出す愛猫のこと、『もめん随筆』を薦めてくれた中学校の先生のこと、花札を教えてくれた父のことなどなど、様々な思いを軽快な口調で語りながら、坂口安吾、川端康成から梶山季之まで、日日の暮らしの中で親しんだ24冊の本を紹介。極私的エッセイスト・群ようこによる、生活雑感エッセイ風ブック・ガイド。読書のお供の最適。

目次

幸田文「父・こんなこと」
梶井基次郎「愛撫」
梶山孝之「色魔」
金子ふみ子「何が私をこうさせたか」
坂口安吾「堕落論」
山川方夫「街のなかの二人」
久生十蘭「キャラコさん」
川端康成「山の音」
森田たま「もめん随筆」
田中英光「オリンポスの果実」
「寺田寅彦随筆集」
谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」
尾崎翠「第七官界彷徨」
横光利一「火」
杉本鉞子/大岩美代訳「武士の娘」
永井荷風「〓東綺譚」
矢田津世子「茶粥の記」
志賀直哉「網走まで」
田村俊子「女作者」
佐藤春夫「美しい町」
中勘助「銀の匙」
「三島由紀夫レター教室」
野溝七生子「緑年」
林芙美子「放浪記」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

153
群さんの読書録日本小説版です。海外のはまた別にあるようです。24冊の本を紹介してくれて読書感想が多いのかと思いましたが、どちらかというと群さんのその本を読んだときの日常生活などに関するエッセイのほうが多いように感じました。私は猫の出てくる梶井基次郎の出てくる作品のところでは思わずほろりとしてしまいました。24冊のうち8冊しか読んでいないのはやはり好みがかなり異なるのでしょう。2016/01/22

penguin-blue

43
群さんが好きな本を24冊選んで自分の人生に絡めて語るエッセイなのだが、通常の書評本とは一線を画している。作者自身のエピソードとその描き方が強烈過ぎて本の紹介というよりそっちに興味が行ってしまうのだ。特に幼少の頃の引っ越し話や家出の話などお父さん絡みが強烈。ピックアップされている本が古典的名著中心なので、30年の時を経ても古さを感じないが、今よりだいぶとんがった、コンプレックスや失敗談などをこれでもか、という書き方に作者の若さを感じる。作者の話に持って行かれるとはいえ、本のラインナップもなかなか個性的。2020/05/18

かおりんご

26
本にまつわるエッセイ。紹介されている24冊の本のうち読んだことがあるのは、中勘助の「銀の匙」、坂口安吾の「堕落論」、杉本鉞子の「武士の娘」のみ。三島由紀夫の「レター教室」、林芙美子の「放浪記」、志賀直哉の「網走まで」、谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」、川端康成の「山の音」あたりは読んでおきたいところ。飼い猫への仕打ちや、生い立ちに絡む話は、読んでいて心苦しくなった。2020/05/05

みなみ

24
群ようこさんが、おすすめの本を紹介するエッセイ。紹介されている本は昔のものが多く、ほとんど知らなかったけれど、実体験を通してそれぞれの作品の魅力に触れているところが面白かった。梶井基次郎「愛撫」と「三島由紀夫レター教室」が気になったので、読んでみようかな。ただ、飼い猫のトラちゃんに対する虐待話は痛々しくて、ひたすらかわいそう。2024/03/22

クナコ

21
初読。著者の本は古本屋で出会う縁をたよりに出版順を無視して購入する。本を開くまで、一体何歳の群ようこに会うのか知らずにいるので、40代の後に60代になったり、その後に30代になったりする。前回は同い年の群氏、今回はそこからマイナス2歳。つまり年下。なんてことだ。私にはこんなに濃い人生がない。群氏のことは全く羨ましくないのにどこか落ち込んでしまう。年の近い人に出会うと無意識に自分と比べてしまう。これをしない人間がいるのだろうか。著者のとんでもなく面白い読書感想文兼人生案内を読みながら、悶々と考えてしまった。2020/04/30

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