内容説明
秋山大治郎のことを思いながら夕暮れの根岸の里を歩んでいた佐々木三冬は、背中を斬られて逃げてきた女に小さな品物を託される。それが密貿易に係わるものだったため、三冬はその一味から狙われ、捕われて地下蔵に押し込められる。鬼神のごとくなって探し回った大治郎が奇蹟的に三冬を救出すると、父・田沼意次は、いきなり三冬を嫁にもらってくれと頼むのだった。シリーズ第6弾。
目次
鷲鼻の武士
品川お匙屋敷
川越中納言
新妻
金貸し幸右衛門
いのちの畳針
道場破り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いおむ
16
再読。この巻も力作ぞろいで楽しい。何より大治郎と三冬の新婚生活が微笑ましい。今回印象に残ったのは最後の「道場破り」。立ち合いのシーンの緊迫感もすごいが相手の鷲巣見平助の人柄がよく、三冬との短いが好感が持てるやりとりが良かった。2017/03/19
ぶんぶん
13
【図書館】新装版が出て来ない、キンドルばっかし。 電子版で読んでる読者ばかりで無い。今回の「新妻」が、もう一人の「秋山大次郎」の妻と言うのがミソ。この新妻も凄い人だ。秋山親子が人を殺害するのが少なくなってきた。 大治郎は棍棒を使い始めた、これは殺してしまってはその人の人生が終わる、反省の人生は無いのかとの問いかけだと思う。しかし、右腕を失った剣豪に未来はあるのかとも思う。ただ、他のシリーズと比べ小兵衛親子に淡々と過ごしてもらいたいとの作家の希望があるのでは。ますます小兵衛親子の世界にのめり込んでいきそう。2020/08/08
タカシ
12
本作でやっと大治郎と三冬が夫婦になり良かったです。出来ればベタだけど三冬を助けに行った時に間一髪で助けて抱き合って欲しかったな。お似合いの夫婦でほっこりします。次巻も期待。2016/08/07
HIRO1970
10
☆☆☆2012/01/12
いくっち@読書リハビリ中
8
女武芸者であった三冬が秋山大治郎に恋をし、うぶな二人を見れる一冊。池波先生の匂い立つ筆さばきが見てとれます。「品川お匙屋敷」と「いのちの畳針」がいいですね。表紙が三冬の胸元に手を差し入れる大治郎ということに今気づく!下手なエロ本見るより燃えますよw2010/02/06