内容説明
上州・沼田城の帰属をめぐり北条家と争う真田昌幸は、ついに徳川・北条連合軍と戦端を開く。出来たばかりの上田城に拠った昌幸父子は、捨身の決戦で数倍の敵を退ける。そして、旧態依然たる北条家のふるまいに嫌気がさした豊臣秀吉は、甲賀忍びの御伽衆・山中長俊の仕組んだ謀略を使って開戦にもちこみ小田原城を攻め落とす。こうして秀吉の天下統一はなったのだが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
195
これまでの2冊も面白く読んではきたが、この3巻に入って作品がいよいよ本領を発揮しだして怒涛の面白さ。真田家のみならずマクロな視野が入ってきて特に歴史小説を読む醍醐味に溢れる。小国が大国を翻弄したり謀略戦あり移り変わる時代の波など多角的な味わい。最後のページまで読んでも続きが気になり、当分は真田太平記から離れられなさそう。次巻へ。2017/02/04
やま
170
【再々読】 血沸き肉躍る‼‼ 真田太平記㈢ 2010.12発行 大活字文庫 豊臣秀吉の天下統一は、豊富な財力で、兵の出血を極力抑えて行う、やり方は凄いものです。ただ、天下統一後の道筋が見えないのが残念です。近親の死を受け心が相当に疲れた秀吉が、何かにつかれたように朝鮮へ兵を出す。 真田家は、上田に徳川軍を向かえ、沼田に北条軍を向かえと、大変な中で上杉景勝の男気が素晴らしいです。真田が領地を…守るために戦っている様が手に取るようにわかる描写です。特に音読していますと、感情が…、もう笑いと、涙がと大変です。2020/08/30
きむこ
136
再読。さぁ私の好きな場面(≧∇≦)真田親子が徳川北条連合を敵に回しての戦い。不利な戦いの中、知力を尽くしての捨て身の決戦で圧倒的な戦力の差を覆し相手を翻弄し退ける。この戦いの兄信幸の活躍が爽快!名胡桃城を舞台にした諜報戦から小田原の戦いまで一気に堪能!小さな勢力だった真田が豊臣という大きな勢力に吸収されて・・・。私は池波さんか描く草の者の活躍が堪らなく好きだ。大河ドラマを見ているおかげで今まではおぼろげだった勢力地図が脳内で描けてわかりやすくなったなぁ。2016/03/05
とん大西
124
未だ壮大な物語の序盤ではありますが、初巻から絶えることない筆致の熱量には只々敬服するばかりです。で、当巻はエンタメ感てんこ盛りの趣。計略が見事にハマった上田合戦の完勝にワクワクし、名胡桃城の謀略合戦にドキドキする。秀吉や家康という大勢力を向こうにまわして腹を探りあい、牽制し、すかし、謀る。正に戦国小説の醍醐味です。そして天下統一…秀吉のもとにひれ伏すに至った英傑達。「真田丸」をはじめとする往年の大河の名場面が数多思い出されます。かりそめの平穏を享受する真田…そして斜陽の兆しをみせる豊臣。さぁ天下の行方は。2021/05/03
優希
110
一気に時代が進みますね。上田攻めから小田原攻め、朝鮮出兵前夜までと盛り沢山。徳川・北条との連合軍との合戦で敵を退ける昌幸父子。しかし戦いがそれで終わるはずもなく、北条を滅ぼすべく秀吉による小田原攻め。秀吉の天下統一が遂に成されることになります。幸村は上杉から豊臣の人質にとなりながらも、その活躍は絶妙な働きを見せますね。そして信幸の活躍が凄かったなと。ただ、秀吉が功績をあげても家族に恵まれないのが辛いところですね。歴史の渦がどんどん渦巻いていくので、今後も楽しみです。2016/11/04