新潮文庫<br> おせん (改版)

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新潮文庫
おせん (改版)

  • 池波正太郎
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 新潮社(2003/09発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101156262
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

〔けころ〕とよばれる娼家から身請けされ、いまは囲われ者となっているおせんと、かつてのなじみ客でゆすりの罪で島流しにあった男の母親との心のふれあいを描いた表題作。それがその男の口ぐせとも知らず“不作の生大根”という罵言にかっとなり、思わず殺してしまった世間知らずの娘の、その後の人生を追った「三河屋お長」。ほかに「あいびき」「お千代」「梅屋のおしげ」など全13編収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

89
13の短編は、どれも女が主人公。ここの女たちはみな強い。容姿に恵まれなかったり、親が殺されたり、男に捨てられたり、愛していた夫を殺されたり…、なのに絶望せず、しっかり生きている。生きているどころか、仇討ちを成し遂げる者、夫に内緒で愛人を作って楽しむ者、果ては女だてらに切腹までするものも。時代は江戸でも、耐え忍ぶ話より、良くも悪くも自分の人生を自分で背負う女たちをうまく描いている。特に表題作の『おせん』、身体を売って強かに生きる蓮っ葉なおせんが、老女によって変わっていく様が良かった。2015/01/20

優希

82
面白かったです。女性を主人公にした短編集です。江戸時代の女性たちは強かで美しく、儚い。壮絶な生き様に引き込まれました。時代を生き抜く力って凄いですね。2018/04/15

sin

61
気がつけば読み終わっていた。女の…いや人の生きざまが交差して人生をほろ苦く芳醇に醸して魅せる物語の数々だった。人間の愚かさや優しさ、どうしようもなさと逞しさが登場人物の一人一人を際立たせて、作者はその冷静な視線で書き分けていく、それでいて弱い人間の生きざまさえ否定しない眼差しが人間の存在を肯定的に捉えて目の前に描き出してくれる。特に題名になった『おせん』の二人の女の心の交流に思わず電車の中で涙が止まらなくなってしまった。2020/06/16

優希

46
女性を主人公に女の生き様や死に様が描かれます。江戸時代の女性の強かさを感じずにはいられません。2023/02/15

タツ フカガワ

29
奇女、烈女、美女などの女性が主人公、もしくは女性に関わる13話を収めた短編集は、これまで読んだ池波短編集のなかでも屈指の面白さでした。とくに「烈女切腹」「力婦伝」「平松屋おみつ」がよかった。ちなみにカバー画は中一弥さん。2020/06/12

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