感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
130
ハードボイルド~忍者版~といったところです。「梟の城」も良かったのですが、当方にとってはこちらの方が好みです。司馬さんにしては会話を多く用いており話がサクサク進むのでページを捲る手が止まりません。2018/06/10
とん大西
118
あぁ、面白い。司馬遼太郎×忍者で面白くないわけがない。霧隠才蔵-その名をきけば皆おそれをなす無敵の伊賀忍び。風来坊を決め込みつつ茶目っ気たっぷりにあやかし、欺き、恋をし、忍びそして敵を倒す。ダンディズム漂う「梟の城」とはちぃと趣の違うエンタメ感。風雲急をつげる太閤秀吉の亡骸・大坂城。関ヶ原に勝利したとはいえ、天下の行く末に不安を残す江戸公儀。大坂につくか江戸につくか。風にふかれるまま気の向くまま、ついに胎動する才蔵。歴史の歯車となるか。旅の道連れはこれまた猿飛佐助。好敵手同士の珍道中もなかなか乙です。2020/03/18
優希
101
面白かったです。忍者ものなのでサクサク読めます。関ヶ原の戦いをきっかけに豊臣・徳川の争いが目に見えるようでした。霧隠才蔵も巻き込まれ、幸村の軍師に惹かれたことから猿飛佐助と共に豊臣家のために働くことになるのは、戦国時代ならではのあり方を見ているようでした。徳川の首を狙っていくようですが、才蔵と佐助の狙いはうまく動いていくのでしょうか。下巻も読みます。2018/08/14
ehirano1
87
「兵法者は、おのれの技量をためし、剣名を世にあげるために勝負をかさねていくのが稼業だが、忍者は、おなじく戦国時代の必要からうまれた戦闘技術者ながら、勝負師ではない。むしろ、勝負をさけるところに、その職業の本領があった(p130)。」、と。“むしろ、勝負をさけるところに、その職業の本領があった”というのは、戦いをしないためには外交で片つけるしかない。となれば情報がモノを言う。なので今でいうスパイとしての役割を忍者が担っていたということだと思った次第です。2018/12/01
ehirano1
72
「甲賀衆と伊賀衆のちがいは、甲賀衆は集団として組織的にうごき、伊賀衆は個人が中心で働くという点にある・・・甲賀忍者は、武将に仕えて実直であり、忠義の心がふかい。しかし伊賀者は、武将に傭われても仕えはせず、技術を売る関係だけにとどめ、ときによっては、きのうは武田に傭われ、きょうは上杉にやとわれるということも、平気でする(p159)。」要は伊賀者は傭兵ということですね。2020/07/03