新潮文庫<br> 覇王の家

新潮文庫
覇王の家

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  • サイズ 文庫判/ページ数 567p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101152257
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

62
面白かったです。徳川300年と言われる礎を築いた徳川家康。織田信長や豊臣秀吉のような派手さはないものの、「江戸時代」という特殊な時代を作り出した覇者と言えるでしょう。俗説の裏を探り、日本人についての謎に迫っているのが興味深かったです。信長、秀吉を引き合いに出すことでいかにして家康が覇者となったのか。それを知ることで、日本人のルーツを知ることにつながるのだと思います。2020/10/07

優希

43
徳川三百年と言われる日本人気質の礎とも言える作品ですね。江戸幕府を開いた家康と三河武士たちについて記されています。メインは信長、秀吉と家康の気質の違いでしょう。俗説の裏にある家康像に鋭く切り込んでいると思いました。信長や秀吉が引き合いに出されているので、より家康の保守的な性格が浮き彫りになり、覇王となる道筋が見えた気がします。小牧・長久手の戦いを軸にしたのも面白いですね。その後の秀吉とのかけひきもなかなか興味深いです。どうせなら関ヶ原もと思いましたが必要なところに焦点を当てているのが流石です。2014/08/14

てつ

35
久しぶりに司馬遼太郎を読む。単に今の大河ドラマを横から観るために。やっぱり上から目線の押し付け歴史観で知識を押し付けてくる。しかも明らかな誤りを、さも自分が発見した事実のように。どっかの過激発言で読者を増やしている老作家と似ている。ま昭和の歴史小説の大家であることは間違いないから、このくらいで。2023/04/30

流之助

31
筆者はあとがきにおいて、タイトルの持つ意味について「逆説的」と語る。もちろん、本書を読めばその所以が分かるようになっている。 徳川家康は「英雄」と呼ばれるような人物ではないにも関わらず、江戸時代という現代の日本人の原型を醸造した独特な時代を築き上げた。そんな、天下泰平を築いた男について、時には資料を引用し、時には推察や考察を用いて描いている。筆者にも想像の及ばない部分については素直に「わからない」としているのも面白い。戦国時代の人間と別種の日本人像がなぜ出来上がったのか、その一端を垣間見れる作品。2019/08/16

てん

15
新潮文庫の旧版で読んだので、上下巻には分かれず1冊。しかも当時のものは活字が小さいので老眼の身にはちょっとこたえた。メインは織田信長との関係と、小牧長久手の戦と、その後の秀吉との駆け引き。意外に、有名な「天ぷらを食べて」から死までのことにも相応のページを割いて触れている。そのかわり関ヶ原や大阪の陣についてはゼロ。また、三河武士の特徴などにもしつこいくらい触れている。おしなべてすべて描く、というのではなくあるポイントをクローズアップして詳述するので、司馬さんの興味の対象がどこにあるのかわかって面白い。2014/07/19

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