内容説明
大飢饉に苦しむ秋田藩は、清国の銀貨を鋳造し密貿易を企てる。その動きを察知した水野越前守忠邦の側用人・武部仙十郎は、秋田藩を利用し阿片の密輸によって、忠邦が閣老主座を手にするための軍資金を捻出しようと計る。仙十郎の頼みで、狂四郎は抜荷船に乗り込み清国へ向う。初めて日本を離れた狂四郎が、占星術使いの異人らと共に南支那海を舞台に活躍する狂四郎シリーズ最終作。
著者等紹介
柴田錬三郎[シバタレンザブロウ]
岡山県生れ。慶応義塾大学支那文学科卒業。在学中より「三田文学」に現代ものの短編を発表。戦後、「書評」の編集長を経て、創作に専念。1951(昭和26)年、『イエスの裔』で直木賞を受賞。以後、時代小説中心に創作し、’56年より連載開始の『眠狂四郎無頼控』は、一大ブームとなった。享年61(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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