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新潮文庫
勇者は語らず

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  • サイズ 文庫判/ページ数 268p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101133195
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

戦中生死を共にした冬木毅と山岡悠吉。戦後、冬木は自動車メーカーの人事部長に、山岡は下請け会社の社長として奮闘していた。高度経済成長の波に乗り日本車の海外輸出に踏み切るも、不当なバッシングを受け苦境に立たされる。憤る山岡と対照的に沈黙を守る冬木。口を噤み、無理に耐えるのが勇者たる日本人のあるべき姿なのか―。戦後日本を支えたビジネスマンの気骨を描く長編。

著者等紹介

城山三郎[シロヤマサブロウ]
1927‐2007。名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』。2002(平成14)年、経済小説の分野を葛立した業績で朝日賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

25
センシティビティ・トレイニング(ST)の場面が出てくる。受講者同士に議論をさせて相互批判をさせて受講者本人が組織の中で身につけている"鎧"をぬぎすてさせる訓練。高度に発達した管理社会でさびついた人間をぶち壊す荒療治だという。この訓練で自分を見直した山岡とあくまでも自分を守った冬木。冬木は川奈自動車がはじめて進出した米国現地工場の責任者として乗り込む。そして下請けの山岡にも進出を促す。熱い山岡と冷たい冬木という真逆な二人であるが、山岡もまた米国進出を決意する。男同士の友情と自動車業界の米国進出を描いた作品。2015/09/27

まつうら

21
自動車メーカーの幹部社員冬木と、下請け部品メーカー社長山岡の対比と友情が織りなす物語。最後は時代の流れでアメリカに進出していくが、冒頭で出てくる感受性訓練のことがすごく気になった。 もし自分がこの研修に参加したらどうするだろう? おそらく率先してベラベラ喋ったりはしなくて、冬木みたいにじっと観察しているんじゃないかと思う。でも、そんな状況に何時間も耐えられるのだろうか? もし機会があったら、感受性訓練を受けてみたいと思うが、ちょっと怖いような気もする。。。

橙夜(とうや)📚

12
城山さん作品は初めて。とても面白かったです。他の城山さん作品も読みたくなりました♪今では日本の自動車は海外でも認められてるけど、この時代は本当に本当に大変だったんだな。そして、この時代に頑張ってきた人達がいるから、いまの日本があるんだと改めて思いました。2015/10/22

いちの

9
ラスト20ページ、「翌朝、冬木は珍しく寝すごした。」から始まる切なくて息苦しい展開がなんだか印象的で、何年か後にもふと思い出す気がします。語らぬ勇者たちが高度経済成長を支え、様々な犠牲を払い、苦悩しながら今の日本に繋がる礎を築いた。そのことを覚えていたいと思いました。 インパクトを感じたところを2箇所、コメント欄に書き残します。2022/05/27

sirahane

9
日本を代表する自動車会社のおひざ元に住んでる私としては本社・下請けの関係を身近に感じます。性能を落とさずにコストダウンをして外国に対抗。日本人の努力と知恵に頭が下がります。2015/09/07

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