新潮文庫<br> 香華 (改版)

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新潮文庫
香華 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 680p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101132020
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

女としてのたしなみや慎みを持たず、自分の色情のままに男性遍歴を重ね、淫女とも言えるような奔放な生き方をする母の郁代。そんな母親に悩まされ、憎みさえしながらも、彼女を許し、心の支えとして絶えずかばい続ける娘の朋子。―古風な花柳界の中に生きた母娘の肉親としての愛憎の絆と女体の哀しさを、明治末から第二次大戦後までの四十年の歳月のうちに描く。

著者等紹介

有吉佐和子[アリヨシサワコ]
1931‐1984。和歌山生れ。東京女子大短大卒。’56(昭和31)年「地唄」が芥川賞候補となり文壇に登場。代表作に、紀州を舞台にした年代記「紀ノ川」「有田川」「日高川」の三部作、一外科医のために献身する嫁姑の葛藤を描く「華岡青洲の妻」(女流文学賞)、老年問題の先鞭をつけた「恍惚の人」、公害問題を取り上げて世評を博した「複合汚染」など。理知的な視点と旺盛な好奇心で多彩な小説世界を開花させた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カピバラ

45
朋子が可哀想でしかたなかった。恥を知らない母親と、それによく似た種違いの妹に搾取される様は読んでいて辛かった。都合のいい時だけ、たった1人の母親だろうと情に訴えかけるのは卑怯よねぇ…。郁代が死んだときの朋子の涙は何を思っていたのだろうか。2016/07/08

James Hayashi

31
時代は明治末期より昭和の終戦後まで。母と娘のギスギスの関係。時代の流れとともに、花柳界の女の生き様を描き、当時の女性の心理、社会的地位、母娘の関係など読み通せる。これは女性が読めば深い嘆息を覚えるに違いない。女性作家ならではの作品。2017/04/08

ぐうぐう

24
超ド級のおもしろさ! 明治末から第二次大戦後までの、母と娘による、強烈なる人生。奔放な母・郁代の、その自由すぎる生き方に、娘・朋子は反発し、嫌悪し、振り回されながらも、抗えない血の濃さに、何度となくひれ伏す。おぞましく思えた母と同じ年齢になる度に、朋子は郁代を追うような生き方をしていることに気付かされる。それでいて、母がなんなく手にしたものを、何ひとつ自分が持っていないことに愕然とさせられるのだ。その逃れられない親子という関係の相克こそが、本作の最大の読みどころだ。(つづく)2015/03/06

ken_sakura

23
安定と信頼の面白さだったp(^_^)q母と娘の親子をテーマに、娘の一代記として娘視点で描かれた物語。母娘の親子の愛憎がちと重め。最初で興味を引き、内容は起伏に富み、ラストは静かな納得。香華は起承転結の上手さが今までより強く感じられた作品だった。著者の本は8冊目。いずれも圧倒的な品質(^^)ここまで読んだ有吉佐和子の著書でどれが面白かったか、を考えるのが面倒になってきた(絶賛)2015/04/10

マカロニ マカロン

21
個人の感想です:A。明治末から昭和35年までの約50年間の祖母、母、娘の3代の確執と親子の情愛を年表的に時代背景を取り入れながら描いた大河ドラマのような小説。舞台も和歌山県、静岡市、東京と転々とするのでなおさら大河ドラマ的だ。保守的な祖母、常に男に寄り添おうと奔放な生き方をする母、そんな母に芸者として売られてしまい、反発しながらも常に母を意識せざるを得ない娘。娘は先見性があり、関東大震災や東京大空襲で全財産を失いながらも、パトロンの助けですぐ立ち直っていく強かさがある。女性の強さが感じられる、お薦め小説。2015/12/14

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