内容説明
人を殺めて逃亡した男は、友人の名を使って14年もの間ひっそりと生きてきた。しかし時効目前にして、同じ職場の部下に過去を嗅ぎつけられそうになる。追い詰められた男は自分を守ために再び殺人を犯してしまうのだが……。表題作「偽名」をはじめ、都会の片隅で何かしら暗い影を背負って生きる人間を描いた7編のミステリー短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中野(racoon)
12
★★★☆☆ 多分そうとう昔に書かれた本のようなので2時間ドラマな雰囲気がただよう。びっくりするような結末やトリックこそなかったけどなんかしみじみできた。「雪の降る夜」は死亡フラグのお手本市みたいな感じだ…切ない…。2017/07/03
ウメ
6
なんだなんだ、このどうしようもなく男臭い連中は。不幸になるために生まれてきたはずじゃないのに、どうしてこんな悲しい道を歩まねばならぬのだ。物語と分かっていながらも、救いの手は無かったのかと考えてしまう。2014/05/06
ブルーベリー
2
タイトルだけ見て選んだ本で久しぶりのあたり(てゆうか、何か買わないと出にくいなー思った古本屋で苦し紛れに買ったのだけれど)。山田風太郎の夜よりほかに聴くものなしを思い出す。ミステリーよりサスペンスが好きだと400冊以上読み気づく。2014/02/24
きりん
1
「あるフィルムの背景」で知った作家さんの昭和臭がプンプンする短編集。しかし、古臭さは微塵もない。ハードボイルドな作品もあり、令和になっても十分楽しめる。 2020/11/26
hikari-MK
0
偽名が一番面白かった。2012/05/19