新潮文庫<br> 銀河鉄道の夜

新潮文庫
銀河鉄道の夜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 276p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101092027
  • NDC分類 913.8
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

58
奥付は昭和57年第45刷。本書が書棚にあるのに気付かず、新編を購入したらしい。しかし、本書と新編2冊(風の又三郎・銀河鉄道の夜)に収録された作品の多くが重複していたため、重複しない4話と、新編「銀河鉄道の夜」では省略されていた列車内でジョバンニとブルカニロ博士との会話を読んで読了とした。カバーは新編と同じ蒸気機関車が星々の中を走る絵なのは、鉄道ファンとしては残念だ。2020/11/21

Gotoran

47
既読の新編に未収録の「グスコーブドリの伝記」目当てに本書を。飢饉の辛さ、農作の難しさ、妹の喪失と再会、そして自己犠牲をしてでも未来を切り開きたいという(賢治の)祈りが伝わってくる「グスコーブドリの伝記」。ジョバンニとカムパネラの銀河鉄道の夜空の旅の幻想的世界を描いた「銀河鉄道の夜」。他9篇。人の愛と孤独、自然の優しさと残酷さ、絶望と希望。賢治の夢、希望、願い、祈りが詰まった作品の数々。静かに、じっくりと、賢治に思いを馳せながら読んだ。2014/10/26

テツ

30
人はみな生きている限りそれぞれの悩み苦しみ悲しみを抱えて歩んでいかなければならないけれど、自らのそうした在り方さえも諦観の混じった微笑みで受け入れることができたのならそれが本当に強い人間なんだと思う。運命に翻弄されながら生きていく。淡々と日々を自分なりに積み重ねていく。そしてもしも他者の運命が目の前で断ち切られそうになったのならば寂しい微笑みを浮かべたままで自分自身を擲つ。寂しい世界に生まれてみんな必死に生きているのならせめて自分を使って誰かを救いたい。賢治の物語に出てきても恥ずかしくない人間になりたい。2020/01/01

nobody

15
最も素晴らしいのは「虔十公園林」、母親の優しさ。これぞ賢治の真髄であってほしい。「やまなし」はやはり難しい。小学校教科書にはふさわしくない。「雪渡り」は凄い。作品全体でリズムを奏でている。自己犠牲と悪人の赦し、この2つが賢治の柱だろう。前者は「グスコーブドリの伝記」のグスコーブドリと「銀河鉄道の夜」のカムパネルラに、後者は「双子の星」の双子に特によく表れている。「みんながめいめいじぶんの神さまがほんとうの神さまだというだろう。けれどもお互いほかの神さまを信ずる人たちのしたことでも涙がこぼれるだろう」。2016/08/05

しんこい

12
再読。子供のころはちっとも趣味に合わなかった銀河鉄道の夜にしろ、やまなしにしろ、今の方がそこに描かれている宝石をばらまいたような空や川の幻想や、川底の景色に心惹かれます。「波からくる光の網」を読んだ後、学校のプールで目の当りにした感動が懐かしい。2015/01/31

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