内容説明
ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。―天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。ある雪の日、わたしの耳に、懐かしい音が響いて…。物語作家いしいしんじの誕生を告げる奇跡的に愛おしい第一長篇。
目次
ひねくれ男
空中ぶらんこの原理
手を握ろう!
おばけの涙
半分の犬
油断するなよ
歌う郵便配達
ローリング
若いってのはいいね
サルのお祭り〔ほか〕
著者等紹介
いしいしんじ[イシイシンジ]
1966(昭和41)年大阪生れ。京都大学文学部仏文学科卒。2000(平成12)年、初の長篇小説『ぶらんこ乗り』を発表。たいへんな物語作家が現われたと大きな話題に。’03年、第二長篇『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞受賞。’04年、第三長篇『プラネタリウムのふたご』が三島賞候補作に
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